NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

国内出張1

引き続き、質問に答えていきます。 気になることがあれば、気軽に質問して下さい。 この場は、僕が書きたいことを書くよりも みなさんに有益な情報を提供できる場で ありたいと考えています。 従って、双方向のコミュニケーションで、 この内容を構成できて…

看護教育の高等化

日本でまったりと夏休みをする予定が、 断れない仕事ばかり入れられて、 「台湾が見える沖縄の離島」から 「北方領土手前の北海道の最端」まで、 結局仕事に明け暮れた夏でした。 今さらながら、 なぜ日本は東南アジアより暑いのか、 なぜ日本はこんなにも南…

外人入院2

3 ) Anxiety 3つは「不安」です。 自分が海外で入院したときは 病気がどうなるのかも心配でしたが、 それ以上に医療システムが全く違うので、 小さな事ひとつひとつが不安で ささいなケアに救われた思い出があります。 もちろん日本で入院している 外国人の…

外人入院1

最近よく聞く会話です。 「最近、病棟に外人が入院してきてさ。 言葉通じなくて、本当に困ったんだよね。」 「マジ?うちも最近、 外来によく来るんだよね。外人。」 2012年末の法務省のデータによると、 現在日本には200万人以上の外国人が住んでいます。 …

日本看護

無事に日本に帰って来ました。 東京独特の暑さに閉口し、 七夕の文化に感動を覚えています。 海外で世界と戦えば戦うほど、 「日本」という自分の国を 自問自答する機会が自然と増えてきます。 夜の3時間しか電気が使えない島で ボロボロになった英語の教科…

アジア巡り

ご無沙汰しております。 現在は約2ヶ月のアジア巡りの旅に出ており、 「韓 国 → フィリピン → マレーシア」 を巡っている最中になります。 海外から発注された仕事を一気にこなしており、 看護人材関連の仕事が多い気がします。 まずは5月後半に韓国のソウル…

年功序列

すでに5月になろうとしており、 新年度生活も落ち着いた頃でしょうか? YUITOは、 頭はオフシーズンのままですが、 またまた全国巡りを始め、 夏はアジアを中心に仕事が入っています。 今回は「年功序列」から 「看護師の評価制度」を 考えてみたいと思いま…

日本医療2

2) Health Policy 日本の医療制度を 海外でプレゼンする際に、 最も理解してもらうことが難しく、 かつ、あらぬ批判を受けるのは、 日本人が当たり前だと思っている 「国が医療をコントロールしている」 という暗黙の大前提です。 日本は診療報酬制度を採用…

日本医療1

最後は、 「日本医療」を考えていきたいと思います。 自分の国のこととなると なかなか感情的で複雑な心境となります。 日本の医療と看護は、 「世界でもトップの質を持ち合わせている アジアをリードしうる存在」 であると考えています。 しかし、日本の医…

アメリカ医療

次はアメリカです。 ただアメリカといっても、 これまた広いし、領域も細分化され、 全体を掴む事がさらに難しくなっています。 専門が「疫学」なので、 アメリカとは公衆衛生(Public Health)分野 での関わりが多く、そこから見た 今のアメリカ医療の動向…

アフリカ医療

次は「アフリカ」です。 いつも活動してるメインのフィールドですが、 あまり書いたことはなかったですね。 今回はざっくり概要のみ書き、 具体的な詳細は、また改めて書いてみます。 「どうやって行くの?」とよく聞かれますが、 日本からの移動は、 中東で…

中東医療

引き続き、 世界の最新の医療状況をお伝えします。 今回は、あまり馴染みのない 「中東医療」を 取り上げてみたいと思います。 「中東(Middle East)」は 日本では「西アジア」や「中近東」と呼ばれ、 アラブの石油王や危ない地域?として有名ですが、 それ…

アジア医療

今年度から2-3年間は、 アフリカ・中東もさらに強化しつつ、 再度「アジア」を中心に 様々なビジネス基盤を固めていく予定です。 今回は、 「最新のアジアにおける医療」を 共有したいと思います。 この共有の中から、 10年後にどのような人材が求められるか…

NEXT LEVEL

早くも4月になり、 新年度で街が活気ついていますね。 いつも適当な更新で申し訳ないです。 YUITOは、 1月からの国内・国外での 怒濤の仕事を終えて、 今はゆっくりと今年の「挑戦」を 設定しているところです。 みなさんの今年度の 「挑戦(Challenge)」 …

リバース・イノベーション

20年後の医療の中心はどこでしょうか? 日本 → 違います。 アメリカ → それは今現在です。 新興国 → 正解!! YUITOは主にアフリカと中東で 仕事していますが、それは決して 「国際協力」 のために行っているのはなく、 まさに逆転の発想で、 「新しい視点を…

1月のオススメ本

気がつけば、もう2月ですね。 仕事に撲殺されて終わった1月でした。 この1か月だけでフライト12回、 特急や新幹線は8回以上乗りました。 拠点としているアフリカ・中東への 長距離フライトも年に何回もあり、 「移動」が生活の中心となっています。 「そんな…

災害統計

ここ数ヶ月は東北を行脚しまくり、 震災後の死因統計と医療分布戦略を 各都道府県庁にアドバイスしています。 YUITOの専門は、疫学の中の 「過酷な状況でいかに 精度が高く、論理的なデータを集めるか」 という「研究方法論」になります。 本来データのとり…

5つのR

東京は大雪らしいですが、 みなさんは 雪を楽しめているでしょうか? 雪で機能停止してしまうという 東京の災害に対する弱さ " Vulnerability for the disaster " を感じますが。 相変わらずの移動続きで、 飛行機ばかり乗っており、 トランクひとつで生活し…

Leadership

あまり知られていませんが、 日本の看護界からも 様々なリーダーシップを発揮している人 が少しづつ出てきています。 日本で専門看護師を創設し、 日本における精神看護と災害看護を確立して、 国際看護師協会の会長を勤めた 南裕子先生は世界的に著名ですね…

自殺

国際保健の領域では、 2000年に設定された MDGs(ミレニアム開発目標) という2015までの世界の目標があります。 具体的な内容は以下のとおりです。 1 極度の貧困と飢餓の撲滅 2 初等教育の完全普及の達成 3 ジェンダーの平等推進と女性の地位向上 4 乳幼児…

ipad

ここ最近、 世界の医療現場どこでもよく見かけるのが " ipad " でしょう。 日本では主に医師が持っている事が多く、 シンガポールやカタールでも 臨床現場でipadが使われており、 医療用ipadのソフト制作も盛んになっています。 個人的にもipad mini 64Gを使…

知的労働

「看護とは一体何であるのか。」 という問いは永遠に存在しますが、 「看護とは知的労働である。」 という前提条件が、今の時代に とても大きな意味を持つと考えています。 知的労働者とは、 頭脳を資本として思考から何かを創る人 と定義されます。 ドラッ…

看護人材飽和

日本の看護教育における最大のジレンマは 「看護人材の量と質」 の確保でしょう。 しかし、その中、厚労省が約4年後に 「看護人材は飽和する。」 という衝撃のレポートを提出しています。 (平成24年では96%の需要に対する供給量 平成26年には98%の需要に対…

賽の河原

みなさんは 「賽の河原」 をご存知でしょうか? 日本独自の信仰で有名ですね。 私YUITOは数字を中心とする統計・疫学が専門ですが、 国際保健という場で生きているので、 その民族独自の文化とケアの関連性を考察する 「文化人類学(Anthropology)」の立場を…

2013年

あけましておめでとうございます。 気がつけば2013年となり、 時間が過ぎることの速さを体感しております。 「今年こそは」とまたまた壮大な目標を立てつつ、 「これは去年の目標だったな」と反省している仕事初めです。 「人々は目標設定の際に、 1年できる…

ポストモダン2

そして、ソ連の解体後 冷戦の終焉によって、世界は大きな変化を強要されるのです。 2)歴史の終焉 冷戦において、 自己の正当性を「歴史=エビデンス」をいう形で 担保していた両国が、 ソ連の崩壊によって、冷戦が突然終焉を迎え、 ソ連のみならず、アメリ…

ポストモダン1

今、医療や看護が一体どこに向かっているのか? 価値(大切だと思われているもの)は 時代によって大きく左右され、 時代や流行の表層だけでなく その流れの深いところにある「うねり」を つまり「時代の本質」を捉えていくことは、 先の見えない今を生きる…

日本再考

本当におひさしぶりです。 いつも適当な更新で申し訳ありません(笑)。 適当な自分とは逆に、 このブログが知らぬ間に大きくなり、 また議論のきっかけとなっており、 自分の責任を痛感するとともに、 みなさまには本当に感謝しております。 また記述を再会…

アメリカ看護

昔は「アメリカ看護」が非常に流行りましたが、 最近はアメリカ経済がだいぶ厳しくなり、 特にアメリカ人以外の看護師の解雇が多くなり、 友人もどんどん日本に帰ってきています。 アメリカは医療も研究も経済に大きく左右され、 今は看護師としてアメリカで…

麻酔看護師2

最近問い合わせが多いので、 「麻酔看護師」について記述します。 日本でも聖路加国際病院で、 聖路加看護大学大学院を修了した周麻酔期看護師が 活躍し始めました。 聖路加国際病院の麻酔科のHPです。 麻酔科 - 受診案内 - 聖路加国際病院 まず世界的にみて…