NEW NURSING

世界で活躍する疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

中東医療

引き続き、

世界の最新の医療状況をお伝えします。


今回は、あまり馴染みのない

「中東医療」を

取り上げてみたいと思います。


f:id:yuito33:20130404083253p:image


「中東(Middle East)」は

日本では「西アジア」や「中近東」と呼ばれ、

アラブの石油王や危ない地域?として有名ですが、

それはごく一部の国だけの話になります。


アラブ人は、

「非欧米人」としての概念が強く、

唯一の白人以外の先進国である

「日本」に非常に強い好感を

持ってくれています。


最近では、

バイやアブダヒなど7人の首長が作る

アラブ首長国連邦UAE)などへ

観光が行く人が増え、

その発展ぶりと飛行機の良さには驚く人が多いですね。


イスラムが生活の中心なので、

人々は非常に礼儀正しく

街はアラビアンで

人間と文化的には一番好きな地域で、

年間を通して最も行く地域になります。


f:id:yuito33:20130311205711j:image


成田から飛行機では10時間くらいで到着できます。


派手なドバイ(DUBAI)が有名ですが、

そこは金融と観光、貿易の拠点であり、

中東の政治や医療の中心は、

カタール(QATAR)の首都ドーハ(DOHA)であり、

有名なアルジャジーラTVなどがあります。


自分自身もドーハを拠点としています。


f:id:yuito33:20121013203600j:image


もちろん、

厳格なイスラム教徒(ムスリム)であり、

生活や医療においても

イスラム」が中心となります。


まず、

アルコールは超厳密に禁止で、

外人が街でアルコール買うのにも許可がいります。


外資系のホテルが例外で、

ホテルのバーやクラブでは飲む事が可能で、

夜は外人で大繁盛しています。


食事の材料も「ハラール」という

イスラム教の手順で調理・加工されたもの

を使ってしか料理できないので、

厳密な人からは、

経管栄養の成分などもいろいろと質問されます。


f:id:yuito33:20130404081047j:image


9月のラマダンとなると

日が昇っている間は病院職員といえども

水やご飯が禁止となります。


もちろん、患者さんは例外で、

しっかりと栄養と水分管理しますが、

摂取を嫌がる人も多く、

文化を尊重した医療が最も大切となります。


ラマダンは

外人であるYUITOにも適応され、

会議や指導していてもご飯は出ずに、

だけど水飲めないのはしんどいので、

こっそりトイレで水を飲むのは

許してもらっています(笑)。


もちろん、

入院中も患者さんは1日5回、

絨毯をひいて膝まずいて、

お祈りするし、

院内にモスクや家族用のお祈り場所もあり、

その光景を見ていると心洗われ、

人間として本当に大切なことを

学ぶことが多いです。


f:id:yuito33:20121013120546j:image


医療としては、

病院設備自体は日本と変わらずに、

現在は人材やシステムの質を

向上させるソフト発展の段階であり、

歴史やしがらみがなく、かなりリベラルな風土から

EVIDENCEの話をしたら、

「そっか。」とすんなり実行してくれることが多く、

まだまだ発展途上なので、

学ぶ意識が非常に強いです。


中東マネーがあるので、

EVIDENCEのそろったことを

政策として実行するのも

かなりスピーディーで、

このままだと

日本はいずれ抜かれてしまうでしょう。


今は個人的には、

ICUの質の向上や看護教育の質の向上などに

焦点を当ててビジネスしています。


f:id:yuito33:20090823225954j:image


一概に「イスラム」といいますが、

実は、イスラムの中でも細かく分かれており、

それぞれ風習やシステムが違います。


上記はリベラルなイスラム地域の話であり、

僻地やイスラム原理主義の支配地域では

まったく事情が異なります。


相当に危ない地域もあるので、

護衛を雇い、ランクルに物資を積んで

ひげを長くして、格好もイスラム風にして、

族長にその地域のやり方で忠誠を誓った後に、

病院やフィールド観察に行きます。


厳密なところでは、病院自体が男女別であったり、

自宅から出れない女性が多かったり、

イスラムの民間療法が行われていたりと、

様々な深刻な状況も見受けられます。


ただ、彼らの文化なので、

無理に介入することはせず、

かれらを尊重しつつ助言するという立場に

長期的な視点で関わっています。


f:id:yuito33:20130315174905j:image


もちろん、

高度なリスク管理をしつつも

襲われた事は何度もあり、

「なんのために医療を行うのか。」

という自分の根底にある強い使命が

常に問われることとなります。


よくJICAや学会で

「なんでそんな危ないところに行くんだ。」と

おしかりと受けますが、なんとも温室的な意見です。


それは全く逆で、


「本当の意味で弱い立場の人は、

 常に危険にさらされているし、

 その人たちに質の良い医療を提供するために、

 危険な土地であるからこそ身を張って進んで行く」


という信念があるから

行動として、そうしているのです。


やはり、

こういう場所で人を救うには、

強い使命が必要だし、

何あっても自分を支える信念が

世界を変えていくのだと信じています。


f:id:yuito33:20130318020238j:image


中東医療のイメージを

少し更新できたでしょうか?


文化を考慮して、

医療の倫理調整をしていくスキルは、

グローバル化していく世界の中で、

必須のスキルであるし、

何より異文化と関わることで、

自分の視点や思考が広がり、

成長できることは素晴らしいですね。


その相手の文化を体感して、

その魅力を感じれるのが

「中東」だと思っています。


次の旅行、

バイとアブダヒはいかがでしょうか?


ISLAM NURSING

f:id:yuito33:20120411173602j:image