病院が中国に買収される日
夢をみるために、毎朝僕は目覚めるのです。
人間は自分が想像できない事実に対して
大きく2つの反応をすると言われています。
無理やり自分の枠を当てはめて解釈するか、
理由のない恐怖を感じて、ただただ否定するか。
常に自分の視点や思考に批判的になり
他者の視点で自己を相対化する作業が必要です。
事実は自分の想像以上に
シンプルかつ複雑なのです。
今、日本の病院が海外資本に買収されています。
疫学者として、その買収をサポートしています。
またひとつ、日本の病院が
中国資本に80億円で買われました。
その価格の根拠となるデータは
経営指標や合併症の頻度、看護師の能力から
疫学者として正当に評価したつもりです。
日本ブランド、のれん代として
自分の評価以上の取引価格となりましたが。
今ぼくが持っている買収リストには
みなさんが働いている病院が含まれています。
もしかしたら、みなさんの病院やみなさん自身を
投資評価(Due Diligence)するのは、ぼくかもしれません。
ある日、自分の病院が中国に買収されて
中国人の経営者、中国人の看護部長になる。
そんな現実が、今すぐそこにあります。
みなさんは、そんな現実とどう向き合いますか？
無理やり自分の枠を当てはめて解釈しますか？
理由のない恐怖を感じて、ただただ否定しますか？
今日の日常が、明日も続く保証はないのです。
この安定には、いつか終わりが来ます。
学校を出て、医師や看護師になって
病院で安定した給料をもらって
家を立てて、老後は年金で生活する。
そんな未来は幻想です。
そんな安定した未来は来ません。
早くこの現実に気づいて下さい。
そして、早く行動して下さい。
自分の成長に軸を置いて
病院や組織に左右されずに
自分で未来を切り開ける人材になって下さい。
あなたの病院が外国資本に
買収される日は近いかもしれません。
ちなみに世界で活躍する中国人は
日本人が考える以上に賢くて優秀です。
今回お世話になった中国人も
電気も水のないところで生まれ
本当に苦労して北京の大学を卒業して
ぼくと話すためだけに日本語を学び
日本文化にもリスペクトを示してくれます。
自分も日本人として
外資による病院買収を手伝ってよいのか
本当に、何日も何日も悩みました。
ただ、国籍は問題ではないのです。
成果を出せるかが、本当の問題なのです。
今の日本における病院マネジメントで
日本の医療が変わるとは到底思いません。
「看護部長を国籍問わずに最適な人材に変える」
これが僕が提示した唯一の買収条件です。
理不尽な年功序列や学歴社会ばかりで
なぜか医療者の論理で医療が動いています。
患者さんに良い医療が提供されれば
国籍や免許は問題ではないはずです。
自分自身、疫学者として評価されて
日本人だけどハワイ州に公務員として雇われています。
本物の成果を出した人が評価される
そんな社会にしなければならないのです。
同じように
最近は自分に対しての批判が増えたと聞きます。
むりやり看護師として解釈されるか
見たことない自由人として全否定されるか。
世界は自分の想像以上に
シンプルかつ複雑なのです。
自分の見たこともない世界を想像して下さい。
自分の見ていることが正しいとは限らないのです。
目が覚めてから、夢をみる想像力が必要なのです。
16時半に札幌で仕事を終えて
18時の新千歳発の飛行機に走り
20時半に関空に着いて、一瞬で本を買い
21時半にハワイ行きの飛行機に飛び乗る。
機内で4冊の本を読み切って仮眠をして
11時にハワイに着いて税関を抜けて
12時には、がんセンターで普通に働いて
19時からワイキキで会食に参加する。
これが、ぼくの昨日です。
ただの日本人看護師の日常です。
年間20万マイル
地球8周分を飛んでいます。
こんな医療者、世界にはゴマンといます。
これだけ努力しても
次の10年を生き残れるとは思っていません。
それくらい世界の流れは早く、残酷なのです。
安定の先に成長はありません。
自分から不安定の中に飛び込んで下さい。
きっとその先には
みなさんが夢見る未来があるはずです。
自分が見ている事実から
想像力を働かせて、本当の事実を観て下さい。
そして、まわりの雑音に惑わされず
自分の未来に向かって、自分で行動して下さい。
一刻も早く。
夢をみるために、毎朝僕は目覚めるのです。
