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ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

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第100回看護師国家試験合格発表総評

25日に第100回の看護師国家試験の
合格発表が行われました。


みなさん結果はどうだったでしょうか?


YUITOの総評としては、
「今回はなんとも言い難い結果だった。」
と思います。


1) 合格率 = 91.8 %
・通常は合格率を90%前後に設定するという
 厚生労働省の暗黙のしきたりがあり、
 今回は91.8%となりました。


・ただし、今の時代の看護師不足を考えると、
 やはり合格率を95%にして、
 国家試験で判定するのではなくて、
 実践でしっかり教育していく方針が
 最も効率的に看護の量と質を担保する政策になると考えています。



2) 合計得点率 = 67.6%
厚生労働省が発表した合格基準は以下の通りです。


・(1) 必修問題
   40点以上/50点満点(80%以上の正答率)


・(2) 一般問題と状況設定問題
   163点以上/250点満点(65.2%以上の正答率)


・つまり、
 全体で203点以上/300点満点の得点率
 全体で67.6%以上の正答率
 が今回の合格ラインとなりました。
 (状況設定問題は各2点)


・世間では今回は問題が非常に簡単で、
 「70%超えか?」といわれていましたが、
 実際は例年通りに60%後半に落ち着きました。


3) 総評
・まず、世間の予想である
 「問題が簡単で合格ラインが高いのでは」
 は結果として、
 「問題は簡単ではなく、合格ラインも普通だった。」
 ということが今回の総評になります。


・そこで問題の種類別に見てみると、
 「必修問題は非常に簡単であったが、
  一般問題と状況設定問題の難易度は普通で
  特に症例問題で受験者が得点を落としていた。」
 ことによって、
 「意外と受験者の得点率が下がった」ことが
 例年どおりの合格ラインになったようです。


・また例年のように数問、問題が不適切であったと
 全員に得点となる問題がなったことも
 影響していると考えられます。


今後の看護師国家試験の方向性としては、
「必修問題は簡単で、一般問題で差がつく」
ことが定着する可能性が高いと思います。


ということで、
前の年の必修問題が非常に難しかったことに反動した
必修問題が非常に簡単だった試験となり、
しかし、合格ラインは変わらずに
「なんとも言い難い結果」となりました。


受験生もみなさんも本当にお疲れさまでした。


結果はどうであれ、今はゆっくり休んで下さいね。