NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

キャリアアップが必要な3つの理由

日曜日の午前中は、

さっそくたまっている仕事をこなし、

日曜日の夕方には、

ひさびさサーフィンしてきました。

 

最近は出張ばっかで、

ほぼ2ヶ月ぶりのサーフィンでしたが、

波もまあまあで乗りやすく

ローカルのおじいちゃんサーファーたちと話せて

いいリフレッシュになりました。

 

さて、今回は簡単に

「なぜ今、看護師にはキャリアアップが必要なのか?」

という問いに、3つの根拠を提示したいと思います。

 

先に答えを書くと、以下の3つです。

  • 看護師の給料が上がる見込みはないから
  • 看護師の人材が飽和してきたから
  • キャリアアップが人生を自由にするから

 

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1)看護師の給料が今後上がる見込みは少ない

 

残念ながら本当です。

 

年功序列の給料システム崩壊

 

まず考えてほしいのは、

「何も努力していないのに、

 勝手に給料があがることはない」

という当たり前の事実です。

 

去年と同じ仕事の量と質なら、

去年と同じ給料でいいはずですよね!?

 

今までの勤務年数に応じて

年功序列的に給料が自動的に上がっていくシステム

が意味をなさない時代になりました。

 

それは勤務年数が、

看護師能力の良い予測指標ではなくなったからです。

 

転職が当たり前で看護人材が流動的になり、

(看護転職サイトも相当増えたでしょ?)

これからは勤務年数ではなく、

個人の能力に応じて、

年収が決まる時代になります。

 

よって、

「努力=キャリアップ」しないと

給料がこの先、今より良くなる見込みはないです。

 

国民医療費の高騰

 

少し専門的なことを書くと

日本の医療費は、原則的に政府が管理しているので、

医療費から給料が出ている看護師は

政策に応じて、給料が決まることになります。

 

要するに、政府が決める

診療報酬に大きく影響されるということです。

 

「政策 → 医療費 → 看護師の給料」

 

では、国民医療費と診療報酬は、

これからどうなるのでしょうか?

 

もちろん、高齢化により

さらなる国民医療費の高騰が予想され、

国民の税金や医療費負担を増やすことは

選挙的に、また経済的に厳しいので、

政府は医療費を抑えることに全力を注ぐでしょう。

 

つまり、国民医療費の高騰を抑えるために

診療報酬をさらに安くしていく方針となります。

 

政府が医療費を安くすると決定すると、

診療報酬により病院に支払われる医療費も少なくなり、

結果として看護師の給料が安くなるという論理です。

 

まとめると、

年功序列制度の崩壊と医療費高騰から

キャリアップしない看護師の給料が

今後上がる見込みはないという結論です。

 

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2)看護師の人材飽和

 

自分は、7対1看護が始まった時に

就職だったので、「バブル」でした。

 

病院見学に行くだけで、

病院がフライトとホテル代を出してくれて、

説明会のあとには料理屋で、接待もありました。

 

東京ディズニーランドに連れていってもらった

同級生もたくさんいました。

 

この頃は、どうにか看護師の数を揃えようと

根拠なく給料を上げるところも多かったです。

 

そんな時代はとっくに過ぎ去り、

今では厚生労働省は、

「看護師の数は、99%飽和した」

というレポートを出し、

7対1看護の人材も満ちてきたので、

有名な病院では新規採用がかなり少なく、

優秀な学生のみの狭き門となっています。

 

看護師が飽和してくれば、

一部の看護師は希望の場所に就職できないので、

安い給料でも、しかたなく働くことになり、

看護師の給料は下がる運命となります。

 

具体的に考えてみましょう。

 

看護師国家試験で、

毎年5万5千人の新たな看護師が生まれています。

 

すると、今後10年では、

なんと55万人の新しい看護師が生まれるわけです。

 

ちなみに一番人口が小さい都道府県が

鳥取県」で、人口約57万人です。

 

つまり、今後10年で、

いち都道府県の人口と同じくらいの

看護師が供給されるわけです。

 

「看護師県」でも作りますか(笑)

 

もちろん、

看護師を辞める人も多いですが、

それでも55万人という数字は、

さらなる飽和を意味します。

 

これだけの規模に

今まで通りの給料を払える見込みは少ないです。

 

ということで、

看護師は人材飽和しているので、

キャリアップしないと

将来仕事がなくなる可能性、

または給料がかなり下がる可能性が

かなりあるということです。

 

むしろ、今まで努力もなしに

看護師免許だけでいい給料をもらえたのが

非常におかしな話ですが。

 

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3)キャリアップが人生を自由にする

 

自分は上記のことを

10年前の大学生の時に予測していたので、

もくもくとキャリアアップしてきました。

 

それは単純に

「看護師免許を使って、自由な人生を生きたい」

と考えていたからです。

 

多くの命を救いたいと思うと同時に

自分が満足する生活・人生を送りたいと考えています。

 

その中のひとつに、

「ハワイで数年生活したい」

という項目があり、

あまり見せない相当な努力の末に、

今ハワイで生活できています。

 

看護師からあと一歩キャリアップするだけで、

自由で豊かな人生を送れると信じています。 

 

実際のところ、

この夢の実現には、4年かかりました。

 

やはり、個人的な経験からいうと

キャリアップしても結果が出るまでに

早くて5年も、遅くて10年かかると思います。

 

時間は、人生は限られています。

 

だから、少し焦って、

キャリアップを考えてほしいのです。

 

かなり時間がかかる作業なので、

「漠然とキャリアップをしたいなー。」

と考えるのはなくて、

特定看護師になりたい、

とりあえず大学院に行きたいと、

今すぐ具体的な目標を立てて、

さっさと行動に移すべきです。

 

じゃないと5年後は、今の状態未満です。

 

ミスっても看護師できるんだから、

どんどん挑戦すべきです。

 

がんばってキャリアップして、楽しく自由に

ハワイで働いている日本人看護師もかなり多いので、

夢を持ってキャリアップしてほしいと思います。

 

人生を豊かに、自由にできる方法は

ただひとつ、キャリアップすることです。

 

もちろん、

認定看護師、専門看護師でもいいし、

保健師でも、起業でも、留学でも、

キャリアップの方向性は様々です。

 

ということで、今回は簡単に

「なぜ今、看護師にはキャリアアップが必要なのか?」

という問いに、3つの根拠を提示しました。

 

  • 看護師の給料が上がる見込みはないから
  • 看護師の人材が飽和してきたから
  • キャリアアップが人生を自由にするから

 

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ちなみに、

キャリアップの必要性が理解できたら、

あとは、さっさと行動すべきです。

 

行動しないと人生何も変わりません。

 

「自分のやりたいことがわからない」

とか意味不明なことを言ってないで、

さっさと学会や勉強会に行くなり、

せっせと大学院に問い合わせるなり、

病院にいる認定看護師に話しかけてみるなり、

実際に行動、アクションすることが大切です。

 

自分も行動しまくった上で、

自分のやりたいことが見つかったのは、

必死に考え始めてから、7年後でした。

 

それでも相当早かった方です。

 

だから、今後数カ月で突然、

自分のやりたいことが見つかる

ということは、起こりえません。

 

ただ、カオスの中、努力に努力を重ねると、

ゆっくりと自分のキャリアに光が差し込み、

次第に道が開け始め、振り返ってみると

「ああ、これが自分のやりたかったことなのか。」

と初めて自分で気づく流れがほとんどです。

 

ぼくは基本的に言葉のみで、

行動しない人は大嫌いです。

 

だから逆に今、

海外や大学院、病院で死にそうになりながら、

必死に行動している人たちには

最大限のリスペクトを送ります。

(自分もまだその一人ですが)

 

なにより、行動あるのみです

 

ま、いまだに

自分も週に2日くらいは、

超カオスですけどねー。

 

  • キャリアップの必要性を理解すること
  • 具体的にキャリアアップ計画について書き出すこと
  • 1週間以内に、何かの行動を起こすこと

 

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