BIG ISLAND 1
長年、疫学や医療統計をやっていると、
理論や統計の限界も見えてくるので、
質的研究のよさや、小説に魅力を感じています。
統計は万能だと勘違いしている人が多いですが。
個人的には
「測定できないもの」
「測定してはいけないもの」
に年々惹かれています。
ということで、今回は
「超ディープなハワイ島の旅」
とお届けしたいと思います。
上の地図で見てのとおり、
ハワイ州は、主に8個の島からなり、
観光地で有名なワイキキビーチがある
ホノルル市はオアフ島で、意外と小さな島です。
カメハメハ大王が、
オアフ島に拠点を置いたことから、
今でもオアフ島が政治や経済の中心となっています。
今回は、カメハメハ大王の出身地である
一番大きいハワイ島に行って行きます。
(現地では「ビッグ・アイランド」と言います)
0715 空港着
自宅から車で15分弱でホノルル国際空港へ。
今回は離島便で、ハワイ島の街、コナに向かいます。
早起きして、ごはん食べて、空港に着いた瞬間、
観光バスに突っ込まれて、まさかのもらい事故。
派手にバンパー吹っ飛んで、マジかよー。
(後日、板金屋ですぐに直りました。)
ブチギレそうになるも、警察も集まってきて、
めんどくさい雰囲気なので、その場で示談成立。
(こちらは過失なし。偶然見ていた警察も同じ意見。)
海外での事故と病気・怪我ほど、嫌なものはないですよね。
テンションが劇下がりのまま、チェックイン。
0745 チェックイン
結局、ギリギリでチェックイン。
朝からどうなることやら、
先行き不透明なスタートです。
今回は、ハワイ島に1泊2日で行きます。
持ち込み用のちいさなリュックひとつで、
搭乗券もらって、セキュリティーを抜けます。
いつも麻薬検査を受けさせられますが(笑)
見た目濃いけど、麻薬ディラーじゃなくて、
世の中のために働いてる医療者ですよー。
アメリカ式現地集合で、
ハワイ島のコナ空港に0930集合です。
「みんな家近いんだし、一緒の便で行けば? 」
と思うのは日本人の自分だけでしょうか。
行きは、最近頑張っている離島格安航空の
アイランドエアーを使います。
なんと期間限定クポーンで、
片道45ドルでハワイ島に行けます。
那覇空港の離島便と同じ雰囲気です。
大学時代の実習先がほぼ離島で、
よくプロペラ機乗ったなーと思い出します。
沖縄帰りたいー。
ハワイも同じ感じだけど。
ラウンジで、無料のコーヒを飲み、
置いてある新聞を読んで、搭乗を待ちます。
今回は、特別授業の一環でハワイ島に行きます。
同じ授業を受けている民族学専攻の院生もいて、
「今回の旅のスケジュール知ってる?」と聞くと、
「いやー、全然知らない」との返事をもらう。
誰も、旅の詳細を知らないというミラクル。
そもそも、この旅も3日くらい前に突然決まったしね。
仕事先のボスは、「いっておいで」の一言でしたが。
疫学や医療統計を専門とする自分の中で、
「測定できない大切なもの」
を常日頃に感じ、自分への戒めとしています。
その一環で、ハワイの文化に興味があり、
"Native Hawaiian Studies"
「ハワイ先住民族学研究」
の講義を趣味で受けています。
尊敬しているネイティブハワイアンの教授が、
「学生あまりいないから、ユイトも来なさい。」
と半強制的に参加するのが、今回の旅です。
アメリカ先住民族である
ネイティブハワイアンとアメリカンインディアンの学生と
一緒に聖地を巡り、聖地を守る旅です。
純日本人ひとり、完全アウェーです。
0815 搭乗開始
歩いてプロペラ機へ。
50分のフライトです。
年末に吹雪の北海道大移動で、
プロペラ機のりましたね。
無重力実験みたいになっていましたが。
ここ数年、仕事ばっかりで、
年間100回くらい飛行機乗っています。
こんなにも飛行機乗る人生になろうとは
想像すらしていませんでした。
日本での仕事もあるので、
2ヶ月毎に、日本に帰っています。
ハワイ諸島は、そもそも先住民である
ネイティブハワイアンたちのものです。
ワイキキの観光やホノルルの不動産で、
日本人が大きな顔していますが、
しっかりと歴史を学ぶべきです。
ネイティブハワイアンの王国であったのに、
白人が王族を騙して、勝手に横取りして、
アメリカの一部にしてしまった地域です。
ハワイに観光に来るときは、
まずは、ハワイアンに感謝と尊敬を示すべきです。
同じ構造で、今、辺野古が問題になっていますが、
沖縄の島と海は、本来沖縄の人のものだし、
北海道も、本来アイヌの人たちのものです。
沖縄も北海道もハワイも、
未だに日本人が占領していますが。
機内では、普通に日本語の文庫本読んでいます。
これは、年始に釧路の古本屋で買った司馬遼太郎の
「関ヶ原」で、今回の旅で読み終わりそうです。
最近は、歴史小説を読む機会が増えました。
戦国武将の人間力と死への潔さは、
本当に学ぶことが多いですね。
ハワイの景色とはまったく会いませんが(笑)
格安航空といい、ブックオフといい、
少ないお金でいろんなところに行けて、
いろんな本読めるなんて、いい時代に生まれました。
今回は、まず初日は、
ネイティヴの中で一番の聖地とされている
「Mauna Kea(マウナケア)」という
ハワイで一番高い山に登ります。
ハワイ語で「白い山」という意味で、
4200mの標高で、冬には雪が降ります。
ハワイで一番の聖地にも関わらず、
星を観察する天文台が13個も設置され、
これ以上は設置しないと約束したのに、
バカでかい天文台を、さらに作ろうとしており、
ハワイ全土でネイティヴたちが反対運動しています。
しかも、ハワイ大学が作ろうとしているという。
あれ、ぼくの雇用主はハワイ大学だったような。
次の日には、裁判所が行なっている
ネイティヴの教授が反対の証言を行い、
その後は、世界遺産で有名なキラウエア火山に行き、
「ペレ」という神様にあいさつする予定です。
その女性教授も、専門は遺伝疫学だったのですが、
今は先住民学と先住民族の保健をメインとしています。
生粋のネイティヴハワイアンで、
全身トライバルタトゥーだし、
「論文書いても世の中変わらないわよ」
「ロックスターのように世界を変えなさい」
と過激ですが、純粋にカッコイイです。
反対する証言に立てるという、
アメリカ的自由は羨ましい限りです。
0915 ハワイ島コナ空港到着
個人的にも、初ハワイ島です。
医療データは、日々送られて来ていますが。
写真の通り、溶岩でできた島で、
風景がオアフ島と違うことにびっくり。
ハワイ島には、メインとなる街が二つあって、
コナという東にあるリゾートホテルが並ぶ街と
ヒロという北にあるハワイで二番目に大きい街です。
ネイティヴも多く、日本人移民が開拓した島だと
言われており、大きな日系コミュニティーがあります。
看護学部もあり、看護師養成しています。
ハワイは、本当に自然がキレイの一言につきます。
こんな何気ないワンショットも絵になります。
仕事帰りのチャリから見る夕日や
サーフィン中の青い海とウミガメ、
ランチの時の晴れ渡る空と心地よい風、
本物の、最高の贅沢を知りました。
土、火、水、風が神様という
ネイティヴたちに共感です。
(ファイナルファンタジーのクリスタルと同じ)
ちなみに、ケータイで位置確認するとこんな感じです。
島の間のフライトは結構多くて、
朝の3時くらいからビュンビュン飛んでいます。
0940 出発
教授と他の学生と合流して、レンタカーを借りに行きます。
チームは6人で、教授は小学生の娘も連れて来ています。
ハワイ語は、日本語のローマ字読みとほぼ同じ発音なので、
日本人にとっては、意外と簡単に学べます。
太平洋の島の発音は、ほとんど日本語と同じです。
ってか、結局、
日本も太平洋に浮かぶ島ですからね。
Pacific Islander(パシフィックアイランダー)
「太平洋の島々に住む人々」というと
サモアやフィジー、トンガ、グアムの人を思い浮かべますが、
日本人も入っていると個人的は解釈しています。
一面の、ひらすらの溶岩でした。
溶岩が流れたあとが明確にわかります。
写真でも芝生の中に、溶岩の流れた跡が見えます。
ハワイアンエアーが、つい先日に
東京からハワイ島直行便を始めたみたいで、
日本からも直接来れます。
飛行機では、オアフ島から日帰り観光する
日本人観光客も、ぼちぼちいました。
1000 移動開始
写真で見える山のてっぺんに向かいます。
ビックアイランドは大きいので、移動も、
飛ばしても次の地点まで1、2時間程度かかります。
車内では、教授の娘がウクレレをひいて、
ハワイアンの歌を歌ってくれています。
本物のハワイです。
ハワイ最高ー。
次回に続く。