NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

医療英語1

オアフ島は、小さな島なので、

休日はやることなく、行くとこなく、

のんびりと散歩している週末です。

 

ハワイ旅行といえば、ワイキキですが、

住んでいるとあまり行かないですね。

 

物価激高です。

 

今回は、問い合わせで一番多い

「医療英語を話せるようになるには?」

という問いを、数回にわけて、

答えてみたいと思います。

 

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個人的に、医療英語を学ぶには、

以下の3つが、大切だと感じています。

 

1)医療英語を学ぶ、メリットを考える

2)医療英語で何をしたいのか、考える

3)実際に医療英語で行動してみる

 

まずは、医療英語を勉強するメリットについて考え、

医療英語を勉強するのか決断することが、一番大切です。

 

英語は好き嫌い、得意苦手とかではなく、

数多くのメリットがあるからこそ、

英語が嫌いでも苦手でも、覚悟を決めて、

目標に向かって努力すべきものです。

 

「やるなら、やる。」

「やらないなら、やらない。」

と決めることでしょう。

 

中途半端では、成果は出にくいし、

お金と時間の無駄です。

 

個人的には、医療英語を学ぶ理由は、

# 医療の情報は、ほぼすべて英語

# 英語できないと、国際的な仕事ができない

# 英語できないと、将来的に仕事がなくなる

という3つに集約されます。

 

まずは、よく聞かれる自分の英語の歴史を

他人の参考にはならないと思いますが、

長々と書きたいと思います。

 

自分は、帰国子女ですが、フランス語圏だったので、

英語は普通の学生より少しできる程度で、

大学の時から本格的に医療英語を勉強するようになりました。

 

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大学の図書館で、何気なく興味本位でみた洋書、

「ガイトン生理学」と「リッピンコット薬理学」の

高度な内容をシンプルに説明する構造に感動し、

アマゾンで買ったのが、医療英語のスタートです。

 

心電図のベクトル和とか、引用論文の数とか、

アゴニスト(作動薬)とアンタゴニスト(拮抗薬)

で、きれいに展開していくのは衝撃でした。

 

シンプルな構造と思考が好きで、

好きなときに、好きな箇所を

電子辞書片手に読んでいました。

 

読破はしていませんが、

「洋書も意外と読めるな」

「英語もやれば、できるんだな」

と思ったのが大きな収穫でした。

 

Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 13e (Guyton Physiology)

Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 13e (Guyton Physiology)

 

 

Lippincott Illustrated Reviews: Pharmacology (Lippincott Illustrated Reviews Series)

Lippincott Illustrated Reviews: Pharmacology (Lippincott Illustrated Reviews Series)

 

 

当時は円高で、翻訳本は数万円するのに、

原著は1万円以内で買える

ということにも感銘を受けました。

 

図書館においてあった雑誌の

LancetやNew England Journal of Medicineは、

内容はわからなかったけど、デザインや論文が

ただただカッコよかったのを覚えています。

 

海外の男性看護師の写真も

メチャクチャかっこよく、

NPやCRNAなどのことも書いており、

英語でこんなにも世界が広がるのかと

本当に驚き、衝撃を受けました。

 

ちょうど10年くらい前のインターネット拡大期で、 

「医学情報は、ほぼすべて英語じゃん」

と気づいたのが、大学生の前半でした。

 

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大学生の後半には、大学のポスターを見て、

国連大学やWHOなどのインターンシップ

申し込むときに、英語のスコアが必要で、

そこから本格的に医療英語だけでなく、

一般英語も勉強するようになります。

 

参考書買って、普通に問題集解いてました。

 

大学院の時代には、アフリカに留学していたので、

研究の許可をもらうために、

英語で200ページ以上の書類を作らなければならず、

必死で英語に食らいついていましたね。

 

もちろん、完璧なはずはなく、

「なんだ、この英語は」とよく言われていましたが、

若かったので、「ごめんね」くらいで、

研究者やスーパーバイザーに直してもらっていました。

 

アフリカ人、

自分よりも英語話せて、書けるんだ

と悔しかったのも覚えています。

 

この時に、

「英語できないと世界で仕事できない」

という、大きな壁を意識しますが、

「逆に、英語できれば普通に海外で働ける」

という発見もありました。

 

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その後に、世界各地に仕事で行くようになり、

ツールとしての英語は使えるようになった

というのが現状だったと思います。

 

必死で英語でプレゼン、メール返信で度胸がつきました。

 

すごいのは、医師・看護師は、

世界どこ行っても、普通に英語で会話できます。

 

英語ネイティブと関わる機会が増え、

英語ができるアジア人と仕事をしていると、

発音ひとつにして綺麗な英語を話さないと、

「英語できる国際医療人に、

 将来的に日本でも仕事奪われるな」

と思い、そこからまた発音矯正など

あたらめて細かな英語の勉強を継続しています。

 

英語で普通に仕事していますが、

今でも、ほぼ毎日、

歩きながら大声で発音練習をし、

週に数回は参考書で英語を勉強しています。

 

結局、努力ですね。

 

もちろん、

ここには書けない数々の苦労もあります。

  

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ただ、そこで思うのが、

1)医療英語を学ぶ、メリットを考える

2)医療英語で何をしたいのか、考える

3)実際に医療英語で行動してみる

という3つの要素を

自分がしっかり持っていたから、

医療英語の勉強を継続できたのだと思います。

 

医療英語で世界中の医療情報を知れて、

医療英語を勉強しようと決断できたし、

医療英語を使って、海外で仕事したいと思い、

勉強のモチベーションを保ちつつ、

医療英語をやらないと先に進めない状況でした。

 

これが後輩にいつも伝えている

「医療英語を獲得するための3つの基礎」

となっています。

 

# やるのか、やらないのか、

# 英語で何がしたいのか、

# では、実際にどんな行動をするのか、

ということです。

 

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1)医療英語を学ぶ、メリットを考える

 

何より医療英語を勉強するメリットを

幅広くと考えることが、まず不可欠です。

 

じゃないと、勉強のモチベーションが

なかなか、あがらないです。

 

幅広い視点で医療英語を学ぶ

一般的なメリットを考えてみてください。

 

学校や病院の図書館で洋書をめくるもよし、

英語サイトにアクセスするのも良いでしょう。

 

そのメリットを踏まえて上で、

医療英語をやるのか、やらないのか

決めることが大切でしょう。

 

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2)医療英語で何をしたいのか、考える

 

目標も決めずに、ただ英会話では

医療英語ができるようになるとは思いません。

 

したがって、次に、 

具体的に、医療英語を使って何をしたいのか、

自分の中で明確にすることが大切です。

 

たとえば、

# 外国人入院患者に対応できるようになりたい

# 英語で論文を読み、国際学会で発表したい

# 国境なき医師団などの短期の海外医療がしたい

など、英語を使って何をしたいのか、

考えて目標設定の軸にすることが必要でしょう。

 

すると自然と、

目標と行動が出てくると思います。

 

外国人患者対応なら、

本屋で売っている医療英会話を買って、

近くの英会話スクールに行ってもいいし、

国境なき医師団などは、

必要な英語スコアがあると思うので、

説明会に行って必要な英語スコアと

派遣された先輩たちに直接勉強法を聞くべきでしょう。

 

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3)実際に医療英語で行動してみる

 

目標が定まれば、自然と行動できて、

具体的な目標と期限が決まるでしょう。

 

英会話に行ってもいいし、本を買ってもいいし、

自分はアメリカドラマのERをすべて英語字幕で見て、

医療英語を覚えました。

 

マニアですね。

 

何でもいいので、行動してほしいのです。

 

最近は医療英語の本がありすぎるので、

ひとつだけ、オススメの本を紹介します。

 

自分も臨床にいるときには、

サハリンからInternational SOSの連絡が来たり、

外国人患者に説明や英語の同意書、診断書など、

英語を使う機会も結構あり、

この医療英語の本で、医療英語を確認していました。

 

 

 

個人的には一番の医療英語おすすめで、

見やすく、聞きやすく最強だと思います。

 

わかりやすい図もあり、

解剖学の勉強にもなり、学生にもおすすめです。

 

CDで音が入っているのが一番のポイントです。

特に、現場のコミュニケーションでは、

耳で覚えるのが本当に大切だと思います。

 

読めるけど、聞けない、話せないがなくなります。

 

2年くらい、CDとPDF化した本を

iphoneに入れて、通勤中に聞いては発音し、

時間あるときに読んでいました。

 

看護系のもありますが、読んだことないです。

 

キクタンメディカル 5 看護とケア編 (医学英語シリーズ 9)

キクタンメディカル 5 看護とケア編 (医学英語シリーズ 9)

 

 

これが基本で、実際に使えば、

外国人患者にいろいろと説明でできるし、

海外にいっても使える医療英語だと思います。

 

自分の未だにiphoneに入っています。

よかったら、本屋でチェックしてみて下さい。

 

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ということで、

1)医療英語を学ぶ、メリットを考える

2)医療英語で何をしたいのか、考える

3)実際に医療英語で行動してみる

という基本的な考え方、

「医療英語を獲得するための3つの基礎」

を紹介しました。

 

次の文章では、

実際の勉強法をテキストを紹介しながら、

書いていきたいと思います。

 

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