NEW NURSING

世界で活躍する疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

フィリピン2

ぼちぼち出国ですが、

書けるところまで書いてみましょう。


いつも成田から深夜便で

中東に朝着くパターンが多いので、

出国当日も普通に仕事してジム行って、

夜ご飯食べて成田へ向かいます。


さて、前回の続きです。


マニラでさわやかな朝を迎えて、

空港の近くでフィリピン大学公衆衛生学部と

Breakfast meeting(朝ご飯会議)です。


事前にランダムサンプリングや

調査項目の妥当性検証、

調査スケジュールも決定しているので、

# 北と東地区 → フィリピン大学

# 南と西地区 → YUITOチーム

が調査することとなっていました。


f:id:yuito33:20130602082408j:image


フィリピンはスペイン統治により、

クリスチャンが多いのですが、

南は、マレーシアとの国境で

イスラム教徒が多く、紛争が絶えません。


ミンダナオ島では貧困とあいまって、

ここ数年で停戦合意したものの、

まだ散発的に銃撃戦が起こり、

ほぼ自治区になっており、

普通のフィリピン人が入りにくい地域です。


西は穏やかですが、反政府勢力がおり、

警察官が襲われて殺される事件もたくさん起こっており、

銃が相当量出回っているのがフィリピンの特徴です。


そういうことで、

自分の出番ということになるわけです。


ムスリムの格好でひげを伸ばし、

アラビア語であいさつしたり、

コーランを用いて議論したり、

長老に特殊なあいさつをして許可を得たり、

ムスリム独特のシステムを熟知して行動しないと

一瞬で、拉致されて、まあそうなるわけです。


ただ、しっかりと礼儀を尽くせば、

男社会なので、ものすごい無償の友情を受けれます。


f:id:yuito33:20130602085125j:image


空港のゲートもムスリムに気を使って

男女別になっています。


ミンダナオなどのムスリム地区では

診療所自体が男女別になっていることもあります。


ムスリムイスラム教徒)も

アジア、中東、アフリカとそれぞれ宗派によって、

別の宗教かと思うくらい制度が異なります。


f:id:yuito33:20130602091653j:image


フィリピンのご飯は、

中華圏とインド圏とタイ圏が

ごちゃごちゃになったかんじで、

なんでもかんでも塩と砂糖をかけるので、

個人的にはかなりビミョーでした。


ただ、アジア圏なので、米がメインで、

麺類もあるし、チキンもうまいし、

中東とアフリカよりはよっぽどおいしいかったです。


この後、

離島で毎日チキンを食べさせられるという

(それ以外に食材がない!)

チキン地獄となるのですが、

炭水果物をうまく制限できて、

体も締まり、3kgくらい体重落ちました。


おもわぬ誤算で、

日本人がいかに「米」を

食い過ぎかを理解できたし、

たんぱく質で大きく体が変化することを体感できる

よい栄養管理勉強になりました。


f:id:yuito33:20130602092932j:image


フィリピンやマレーシアに行っても、

セブンイレブンやカップラーメンなど

日本製品を見かけると、とてもうれしくなります。


電化製品などの競争が激しい

コストにインパクトがある「ハード」よりも

コンビニという店の経営、医療や看護という

クオリティーにインパクトがある「ソフト」を

日本はこれから世界に売っていくべきだと考えています。


俗に言う、

高付加価値・高価格戦略ですね。


「ものづくり」として、

製品が形になるとわかりやすいし、

売ったという達成感が大きいですが、

情報レポートや教育など

売ったという実感が少ない無形のサービスもまた

しっかり「日本ブランド」として

ものづくりと同じように外貨を稼いでいます。


f:id:yuito33:20130602113557j:image


アベノミクスで「第3の矢」として

成長戦略が議論されていますが、

形のない知識を世界に売っていく

「ソフトパワー戦略」が

今後の大きな国際成長戦略になり、

また自分自身が行うべきことだと考えています。


自分は、

「日本の医療システムと日本看護」という

日本にしかない世界一の「ソフト」を

世界に輸出しているのです。


安くて単純で模倣可能なものは

中国や韓国に作ってもらって、

複雑で高度な思考と必要とする

(特に医療・看護!)

日本にしかできない事に焦点を当てるべきなのです。


30年後には単純労働としての看護は

給料が10分の1の外国人にとって変わられることは

「変えられない未来」でしょう。


誰がなんと正論を並べようと

看護もまたビジネスであり、

資本主義の中で生き延びなければならないのですから。


f:id:yuito33:20130602093940j:image


ちなみに、

紛争地などの仕事では安全上の問題から

本当に仲の良い研究者以外は、

実名はあまり使いません。


プロジェクト毎に

それぞれ医療者や研究者が集められる場合が多く、

毎回、違う人たちとチームを組んで仕事します。


自分はいつもCode Name "TOYOTA"で通っています。

English Name とも言われたりします。


"YUITO"とは外人からすると発音しにくく

(ジュイトと発音されます。)

また日本の名前は覚えにくいので、

「日本=車=TOYOTA」でしょうということで。


一発で覚えてくれるし、

世界どこへ行っても

「おれはTOYOTAが好きなんだ。」

「おれは金持ちになってTOYOTAに乗るんだ。」

とたった"TOYOTA"と一言話すだけで、

こんなにも人々と仲良くなれるのか

と日本の歴史と底力を感じます。


f:id:yuito33:20130602094701j:image


海外でも紛争地でも

情報がすべてを決めてしまいます。

情報は今やお金より大事な通貨です。


紛争地では「情報がない=死」を意味します。


なので、いつも電池で動く世界ラジオを持ち歩き、

最低でも1つはある現地の英字新聞を毎日読みます。


アフリカは、ほとんどラジオで

世間の情報がまわっているし、

紛争地もラジオで市民をあおっています。


ラジオを使って、

「明日の昼に学校で調査するよ」と宣伝したり、

現地新聞に

「おれは日本から来た医療者、

 医療ビジネスの情報があるやつは

 滞在中にこのホテルのフロントに来い」

と広告をだして、ビジネスにつなげたり、

現地スタッフをリクルートしたりします。


まさにサバイバルですね。


それで今回、飽きるくらい乗った

「セブパシフィック航空」です。


フィリピン中を飛行機で網羅しているし、

意外とキレイで定時性が高い航空会社なんですが、

フィリピンは島ばかりなので、

移動で10回くらい乗って、もううんざりでした。


f:id:yuito33:20130602101607j:image


フィリピンでは、セブパシフィックが生まれ、

マレーシアでは、エアーアジアが生まれ、

どちらの国も島が多くて、交通利便性が悪い

という問題を抱えてた故に、

イノベーションが起こり、

2000円くらいで飛べるようになったわけです。


まさに

「リバース・イノベーション」の典型であり、

制約があるからこそ、

イノベーションが生まれるのですね。


機内もキレイだし、

ちょっとしたクイズエンターテインメントもあります。


韓国人インターン

張り切ってクイズに正答し、

ペンやら、グッズなどをもらっていました。


だんだん、

楽しめるようになってきてひと安心です。


f:id:yuito33:20130602102403j:image


マニラはこんな感じで、

超高層ビルで日本以上に良い病院もあります。


正式には

「メトロマニラ」と呼ばれており、

日本を管轄している

WHOの西太平洋事務局(WPRO)もここにあります。


某病院では、PCIもバンバンやっており、

ICUでIABPも普通に管理していました。


アメリカとイギリス帰りの医者が多く、

ナースもキレイな英語でレベル高いケアをしていました。


最近、規制が厳しく、

病院やスタッフの写真を

SNSやブログに載せることはできません。


特に人物や具体的な場所などは

Securityの関係から少しぼかして書いています。


ご了承下さい。


f:id:yuito33:20130602105302j:image


1時間くらいでマニラから南西に行った

田舎街に到着しました。


まずは、大きな島の山側で

サンプル対象となった診療所や病院を巡り、

健康データを取りつつ、

住民と医療者(ほぼナース)に

医療で困っていることはないか

いろいろと聞いて行きます。


それぞれ、医療にまったく関係ない

現地コーディネートがおり、

車やらバスやらで案内してくれます。


実際にデータ収集するのは

各自治体の保健センターの職員であり、

YUITOはデータ収集の精度管理や

実際の現場を見て印象をもらっています。


f:id:yuito33:20130602113553j:image


ということで、

大きめの島の空港に無事に到着しました。


空港と行っても、滑走路と建物だけで、

滑走路が土のこともあります。


飛行機も医療も、けっこう適当でも

要点さえ押さえていれば、

システムとして大丈夫なんだな

と感じる今日この頃です。


f:id:yuito33:20130602105057j:image


もうすぐ出国ですが、

ネットあるうちはがんばって書きます。


f:id:yuito33:20120411173602j:image