アフリカ医療
次は「アフリカ」です。
いつも活動してるメインのフィールドですが、
あまり書いたことはなかったですね。
今回はざっくり概要のみ書き、
具体的な詳細は、また改めて書いてみます。
「どうやって行くの?」とよく聞かれますが、
日本からの移動は、
中東で乗り換えることが一般的で、
日本 → 中東 10時間
中東 → アフリカ 6時間
となり、航空券は安いので15万程度です。
慣れれば全然近くて、
「ちょっとアフリカに言ってくるわ。」と
気軽に行けますよ(笑)。
ただアフリカはすげー広いので、
東西南北で4つの地域に分ける事が一般的です。
上記の図のように
ヨーロッパが非常に近く、
医療機器や看護教育はヨーロッパ製が多く、
(ただ薬やシリンジなどはインド製)
アメリカよりも旧宗主国のヨーロッパが
積極的に医療活動を行っています。
まず北アフリカは、
アルジェリアやモロッコなど、
近年紛争や革命が相次いでますが、
所得も悪くなく、アフリカというより
地中海の準ヨーロッパという印象です。
同じように、
南アフリカ経済圏として
経済的に発展しており、
アフリカという印象は少ないです。
特に南アフリカは、
middle income country(中所得国)であり、
よい病院では、CABG後のICU管理も
リハビリ含めてしっかりできるくらいで、
韓国平均と同じくらいかなと個人的な印象があります。
また南アフリカには
WHOセンターや看護博士過程があり、
アフリカ全土の医療や看護をリードし、
医療機器メーカーも多数
拠点を南アフリカに置いています。
みなさんの典型的な
「アフリカ」のイメージで、
医療的に非常に問題が大きいところが、
「東アフリカ」と
ガーナ、ナイジェリア、ギニアあたりの
「西アフリカ」
ということになります。
ただ、東西アフリカの
アフリカの医療を捉えるポイントは、
「問題が多く、まったくできていない。」
という悲観的な視点ではなく
「改善点があり、チャンスがたくさんある。」
と考える積極的な視点であり、
そうすることで、
自由なイノベーション思考が刺激され、
未来のビジョンを豊かにして、
世界がアフリカ医療から学ぶことを可能にします。
西アフリカはフランス語圏であり、
ちいさな国がたくさんあり、
東アフリカは英語圏であり、
国としては大きなものが多い
という一般的な特徴があります。
どちらも経済発展がすさまじく、
年々驚くほどに発展しており、
医療はその地域の中で一番発展している国、
西アフリカ → ガーナ
東アフリカ → ケニア
が主導権を握っていることが多いです。
昔ながらのイメージである
感染症や母子保健の問題がまだまだ残りつつ、
さらに新しい健康問題である
外傷や生活習慣病が台頭してきており、
マネジメントのフォーカスが
難しくなっている状態です。
僻地に行くと
まだまだ医療が受けられない地域や
やっと診療所ができて薬が揃った地域など
が見受けられますが、
この5年を見るだけでも、
そういう地域はかなり減少し、
劇的にカイゼンされたように思えます。
ただ健康問題や医療資源をひもとき、
解決策を仮説思考していくと
「医療人材の量と質」
の両方を強化していくことが
優先的介入であり、
「人材育成( Human Resource )」
が今度の鍵となっています。
それは15年前には
基本的な医療にアクセスできないことが多く、
援助国と政策恊働して、
診療所と医療者を急激に増加させた背景があります。
診療所というハード面はよかったのですが、
医療人材を急激に大量に作ったために
1-2年程度の就学で「医療者」としたため、
現在になって人材の質が課題になっています。
また日本と同じように
医療者の量は満ちて来たのですが、
医療者が都市部に集中し
医療者の「分布」を考える必要もあります。
特に専門的な指導ができる教員が不足しており、
病院への国際援助が進む一方、
教育機関への国際援助は非常に少なく、
長期的な視点での教育への援助が求められています。
ただ「教育」と「医療」を結び合わせたら
「日本」が世界で一の実績と質を持っており、
この「医療における人材育成」で
JICAや大学の研究機関である" Public "、
自分や医療器械メーカーなどの" Private "
が総合的に「オールジャパン」として恊働して
アフリカで活動すれば、
(Public Private Partnership; PPP)
国際的な政治や研究の立場も向上し、
ビジネスとしても長期的なリターンが得れると確信しており、
現在はそのプラットフォームを作るために
苦戦しつつ日々邁進しています。
医療レベルとしては、
特に公立病院と私立病院にかなりの差があり、
公立病院では、
国に一つくらいある大きな病院が
手術が高度がすることに伴い、
やっとICUを持ち、呼吸器やA-lineを
管理できるようになっている状態であり、
その他の病院では、
ICUといってもモニターすらない状態が
一般的な状況です。
ケアの質というより、もっと基本的な
「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(5S)」
による環境改善によるアウトカムカイゼンが
効果的であり、まだまだ普及させている状態です。
一方、私立病院では、
入院費が高い代わりに質が高く、
特に優秀な人材が揃っており、
ICUナースなどに呼吸器の応用管理を
レクチャーする機会もあり、
「日本の看護」を知りたいと
猛烈に質問されまくります。
個人的に一番気になっているのは
「公的な医療保険」で
アフリカ各地飛べども、
なかなかしっかり機能している保険がなく、
市民の医療への支出額が増えるなか、
誰でも安く医療を受けられるために
保険分野での新たなイノベーションを必要としています。
ただ、医療器械がない分
個人の医療技術はすさまじく、
「日本人なのに、たいしたことないな。」
と言われつつ、修行させてもらっています(笑)。
詳細な身体所見から
単純レントゲンの細かい読み方、
縫合や麻酔の技術は
百戦錬磨なので歯がたちません。
みなさんも一戦交えてみてはいかがですか?
衝撃を受ける事、間違えなしです。
医療者としては
やはりアフリカは一度は見たい
と思う方が多いと思います。
日本で持つイメージと違って、
医療現場も明るく、
みな問題解決に熱心で
イメージが変わることは間違えないです。
それより何より
みな素直で感情表現豊かで、
人間として成長できる
母なる大地なんだと感じることができます。
大自然もありますしね。
遠いイメージのあるアフリカですが、
経済的な発展はすさまじく、
次の10年は医療が劇的に発展すると予想され、
日本ともっとスムーズに医療交流できれば
お互いに未来がさらに明るくなると期待しています。
特に個人的には
少しアフリカに興味ある看護師を
「病院見学と観光ツアー」として
アフリカに連れて行って、
その医療と自然に触れてほしいなと考えています。
せっかく「看護師」という
世界的に必要とされている免許を持っているだから、
「日本」だけでなく、
「世界」で活躍できる人材になってほしいと思います。
その道は険しいですが、
様々な国へ行けて、世界に貢献でき、
いろんな体験から自分の人生が
さらに豊かになることは間違えないでしょう。
そんな同志を心から応援しています!!
将来的に一緒に仕事ができる人材が
たくさん出てくることを信じています。