NEW NURSING

世界で活躍する疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

自殺

国際保健の領域では、

2000年に設定された

MDGsミレニアム開発目標

という2015までの世界の目標があります。


具体的な内容は以下のとおりです。


1 極度の貧困と飢餓の撲滅

2 初等教育の完全普及の達成

3 ジェンダーの平等推進と女性の地位向上

4 乳幼児死亡率の削減

5 妊産婦の健康の改善

6 HIV/AIDS、マラリア、その他の疾患の蔓延の防止

7 環境の持続可能性確保

8 開発のためのグローバルなパートナーシップの推進


f:id:yuito33:20130109080100j:image


看護的な視点を活かせば、

# 障害からの経済的自立(ゴール1)や

# 学校保健におけるchildren to community(ゴール2)

このMDGsの8ゴールすべてに貢献できます。


大学生のころに、このMDGsを考察し、

「疾患」だけでなく「生活」も考える看護の視点が

国際保健で非常に大きなインパクトを持つこと

を知り得たことが今の自信につながっています。


f:id:yuito33:20130109080101j:image


ただ、もうすぐ2015年であり、

次のpost-MDGsが盛んに議論されています。


今回のpost-MDGsは特に

先進国の課題も中心になると言われ、

「不安定な経済状況」なども入るかもしれません。


先進国の健康問題としては、

# 高齢化  (Aging Community)

# 生活習慣病(Non Communicable Disease)

が大きな課題となっているので、

どのような視点で盛り込むかが焦点です。


f:id:yuito33:20121213110447j:image


ただ、個人的にはやはり

# 精神保健(Mental health)

がpost-MDGsに入り、

世界中の市民を啓蒙することを願っています。


特にこの国「日本」では、

毎年約3万人の人が自殺し、

公衆衛生的にも「超異常な状態」となっています。


国際的な会議に行けば、

すぐに他の国の公衆衛生研究者から

「日本の自殺はどうなっているんだ。

 もっと早く強く介入しろ!(結核もね。)」

と叱咤されます。


残された家族など悲しむ人が多くおり、

「日本の文化です。」

とも言えない状況になっています。


f:id:yuito33:20121227092055j:image


1日に換算すると

毎日約80人自殺しているわけです。


80人乗りの小型飛行機が落ちたら、

2週間以上メディアで話題になるにも関わらず、

この事実はなかなか議論されません。


「自己責任だろ。」

「弱かったんだろ。」

「汚れは議論しない。」

など様々なことが言われそうです。


ただ、自殺は決して個人のせいでなく、

「社会の歪み」や「社会資源のアクセス不足」が

本当に純粋な一部の人を追い込んでおり、

ぼくたちはある意味、

その追い込みの「共犯」になっていることに

気がつかなければなりません。


特に高齢者の自殺には心が痛みます。


f:id:yuito33:20130106171130j:image


社会的な介入に関しては、

認知行動療法(Cognitive Behavioural Therapy)

などエビデンスがやや微妙ですが、

ある程度の仮説の状態で良いので、

「介入するしかない!」状況となっています。


特に精神科看護師に

もっと地域に出てきて欲しいし、

将来的には精神科NP看護師による

カウンセリングや生活相談を含めた

簡単な外来を開いてほしいと考えています。

(スクリーニングして重症感があれば、

 精神科医に紹介すれば良いのです。)


だいぶ前に、仕事しすぎて不眠になったので、

「早めに精神科にスクリーニングしてもらおうかな」

と思って電話をかけて見ると

なんと1ヶ月以上待ちの精神科が多く、

(特に初診は受付したくないらしい)

10件も電話をかけなければならなかったのです。


これじゃ、本当につらい時に

適切な医療が受けられないですよね。


病院の外の「地域」に対する

精神科の1次予防が看護師の手によって

もっと行われることを期待しています。


f:id:yuito33:20130107064425j:image


日本も世界も

もはや健康は「病院の中」じゃ解決できないのです。


これから

「地域介入(Community Intervention)」の時代です。


In the middle of Community

f:id:yuito33:20120411173602j:image