看護人材飽和
日本の看護教育における最大のジレンマは
「看護人材の量と質」
の確保でしょう。
しかし、その中、厚労省が約4年後に
「看護人材は飽和する。」
という衝撃のレポートを提出しています。
(平成24年では96%の需要に対する供給量
平成26年には98%の需要に対する供給量)
第七次看護職員需給見通し(平成22年12月)
数値の算出方法が信頼性がないですが、
だいぶ「量」が満ちて来たのは確かであり、
(おそらく都市部集中という人材分布の問題が大きい)
今後は「質」が焦点になると考えます。
最近は不景気の影響による就職難と
薬学が6年生となり人気が下がった影響を受け、
看護系大学の倍率がうなぎ上りで、
大手予備校から
「この状態をどう考察しますか?」と
電話がかかってきたりします。
また医師会や各行政からも
「今の公衆衛生上の課題は看護人材育成だと思う。」
と頻回に会議に呼ばれ、発言を求められたりしています。
地域の高齢化が進み、訪問看護ステーションしか
地域医療システムの頼み綱がない中、
それを担う看護師がいないという看護教育の課題は
もはや日本全体の課題となっているのです。
資本主義の世界では量が満ちれば、
たたき売りが始まり商品価格がさがるので、
これから看護師も
「薄給料重労働」と「高給料知的労働」
という2群に分かれていくことは避けられないと考えます。
将来を見据えて戦略的に行動しないと
「キャリアップがめんどくさくて嫌!」
といくら嘆いたところでも、
資本主義に飲み込まれて
自分がさらに追い込まれてしまうかもしれません。
まさに
「自分の未来は自分で決める」
時代の到来ですね。
ただ、前提条件である
「看護人材が飽和する」ということが
最も疑わしいのですが。
長期的な視点での仮説でした。