NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

麻酔看護師2

最近問い合わせが多いので、

「麻酔看護師」について記述します。


日本でも聖路加国際病院で、

聖路加看護大学大学院を修了した周麻酔期看護師が

活躍し始めました。


聖路加国際病院の麻酔科のHPです。

麻酔科 - 受診案内 - 聖路加国際病院


f:id:yuito33:20080523140333j:image


まず世界的にみて、

「麻酔をかけるのは、上級実践看護師の役割です。」


もちろん、先進国では

「麻酔科医と麻酔看護師がチームを組んで」

簡単な手術から大きな臓器移植まで

安全で快適な医療を提供していきます。


アメリカでは、

看護師としてERもしくはICUで勤務した後に

大学院に入り3年間の麻酔看護師のコースを終了すると

麻酔看護師(CRNA)となれます。


CRNA = Certified Registered Nurse Anesthetists は、

CNSやNPと同じならびですが、

2年間ではなく3年間のコースで

給料は看護師の中では、教授などの研究職についで高く

約1200万円くらい(最近はドル安で1000万円くらい)

と言われています。


ちなみにアメリカでは

年間2000万円以上稼ぐCNSもいます。


今後は大学院の質向上があり、

CRNAは4年課程で博士課程になるそうです。


日本人でもアメリカで麻酔看護師として働いたり、

現在コースに通っている人も多いです。


アメリカ麻酔看護師協会のHPです。

Become a CRNA


アメリカでの麻酔看護師の役割が記述されているブログです。

http://www.teamiryou.com/


f:id:yuito33:20101110160346j:image


北欧では、

麻酔看護師は1年程度の追加教育が必要で、

(日本と基礎教育が違うので、実際は大学院と同じでしょう。)

・合併症がある

・高度な麻酔管理が必要となる

などの場合は「麻酔科医」が担当し、

・予定手術

・合併症が少ない

などの場合には「麻酔看護師」が担当すると

知り合いのノルウェー麻酔看護師は言っていました。


実際には、チームで麻酔をかけるので、

麻酔看護師が麻酔をかけて、

麻酔科医がボスとして手術場をラウンドして、

コンサルや確認をしていくカンジだそうです。


実力も相当鍛えられており、

小児麻酔も非常にうまかったです。


看護師が麻酔をかける根底には

・麻酔科医不足

・医師と看護師の医療技術がクロスすることを許容する文化

・看護の概念とのフィット

の3つの因子があります。


麻酔科医は世界的にも不足しているので、

医療資源の有効活用からも

麻酔科医を重症例に集中させ、

麻酔看護師が軽症をフォローするという

人材戦略がとられています。


また、日本と違って

挿管や縫合などは、医師でも看護師でも

必要であれば行っていい処置であると

考える文化があるので、

麻酔も同じ文脈で看護師にも開放されています。


f:id:yuito33:20101110145538j:image


さらに「看護の概念とのフィット」としては

・全身状態がみれる

ペインコントロールに重要性を置いている

・術後の管理ができる

の3点の要素があり、

アフリカであったベルギーの小児外科のチームも

小児外科医と麻酔看護師の組み合わせで来ており、

術後は麻酔看護師が全身管理していました。


手術中も麻酔で全身管理しているので、

術後の全身管理も展開しやすいと言っていました。


OPE室から出てきて、

そのままICUで受け持ちになるカンジで、

非常に合理的でclearな医療ですね。


f:id:yuito33:20060101031307j:image


YUITOの専門である中東とアフリカでは、

麻酔科医は本当に少なく、

ほぼすべて麻酔看護師が麻酔を担当しています。


中東やアフリカでは半年程度の研修で

麻酔看護師になることができ、

給料もあがるので、

みなキャリアアップとして目指します。


f:id:yuito33:20101110180832j:image


特にアフリカの麻酔看護師は、

モノはない中で、

修羅場もくぐっているし、

症例も多いし、

マジでマジで技術はうまいです!


f:id:yuito33:20101111183853j:image


アメリカから来た脳外科医も

「ほんとアフリカの麻酔看護師は

 無口で管理がうまいな。」

と褒めたたたえていました。


アジアでも様々な国で、

「麻酔看護師」が活躍しており、

日本からボランティアでアジアに

OPEに行った外科医も

「日本の麻酔科医とまったく遜色ないよ。」

と絶賛していました。


「誰がやるのではなく、何をやるか」

に焦点をあてて、日本でも麻酔看護師が

早く定着してくれるといいですね。


特定看護師も含めて、

早く法律も変わるといいですが。


f:id:yuito33:20101111192833j:image


現在の日本では、麻酔看護師の要請課程は

聖路加看護大学大学院しかなく、

「周麻酔期看護学」となっています。


聖路加看護大学大学院のHPです。

no title


一刻も早く日本の看護が

Global standard に追いつく事を

心待ちにしています。


THE NURSE ANESTHETISTS CAN CHAGE THE JAPANESE NURSING!

f:id:yuito33:20120411173602j:image