NEW NURSING

世界で活躍する疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

沖縄と看護5

「沖縄と看護」ということで

今回を含めて、5回にわたり

長々と記述してきました。


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抽象的で個人的な内容が多く

かなり読みにくいと思われます。


ただ論文化するためのエビデンス

まだ集まりきっていないので、

イデアと論点のみ言語化しています。


本当はさらに抽象度をあげて

「地方独特の看護を理論化することが

 いかに看護において国際的なインパクトとなりうるか」

という流れを共有したいと思い記述しました。


「沖縄から看護を考えて、

 そして国際看護へ昇華する。」

という理論の可能性を具体的をあげて証明したかったのです。


最終的には、

地方に眠る日本独特の看護を集めて

「日本文化を基盤とした大きな看護理論」

を構築し、それを国際モデル化して適応すれば、

かなり多くの発展途上国において

看護の質がカイゼンできると信じているのです。


自分が専門とするアフリカや中東にある

多くの発展途上国の文化には、

ハッキリ区切りすぎる欧米の看護理論は適応しにくく、

ややあいまいな日本文化から生み出された看護理論の方が

よっぽど馴染むと確信しているからです。


みなさんの地方にも

なにか独特の看護や文化があれば

是非とも教えて下さい!!


そのちいさな気付きのひとつから

その現代の看護に対する不満から

次世代の看護が始まり、

次世代の看護をぼくらが創造し定義していくのです。


最後は、沖縄看護学のまとめとして

「沖縄と看護のこれから」

という議題で論じていきたいと思います。


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1) アメリカ式医療・看護


前回のGHQ統治下の影響で

沖縄ではアメリカ式医療・看護が導入され、

かなり進んでいる部分もあります。


日本人の気質である

「アメリカの良いところを日本的にアレンジした」

ある意味、日本最先端でもある医療と看護が

「一部」展開されているのです。


それをいかに記述して、本土と共有して

次の看護のスタンダードとしていくかが大切だと思います。


ある病院では、患者も自分の状態を確認できるように

患者のテーブルにつねに検温表を置いて、

患者と一緒にバイタルを記入しています。


そして勤務交代の申し送り時には、

夜勤者と日勤者で各患者ベッドをラウンドしながら、

患者本人を中心に据えて、また参加させて

その患者の前にある検温表を使って

・現在の状態

・今後のケアプラン

・ドレーンや点滴の確認

申し送りするというスタイルが定着しています。


患者としても

現在の状態や今日の予定、ケアプランがわかり

患者が主体であり、

ともに目的に向かっていくというスタンスで

意欲がわき、目標達成も速くなると思います。


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また、大きな手術でも6時間後には

真夜中だろうがいつでも、しっかりと鎮痛をして

患者を立位にして早期離床を促し、

DVTや無気肺等の合併症を防ぐという

理にかなったケアを行われています。


東京でよく聞く

本当に非効率な謎の医療

(もはや都市伝説か笑い話ですが)

「男性のバルーンは医師が入れる」

「採血はいいけど静脈ルートは医師がとる」

などの理不尽な割り振りもなく、

「静脈ルートは3日以上たつと静脈炎になるから、

 早く入れ替えてちょうだい。」

と意外とエビデンスを行動に移している

看護師も多くて感動した印象があります。


これらは自由であいまいな沖縄文化に

アメリカ医療がうまくマッチしてたことが生んだ

良い結果だと感じています。


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2) 男性看護師


アメリカ文化に影響され、

また失業率の高い沖縄では、

なんと男性看護師が

全国平均の約2.5倍もいるのです!


男性看護師の全国平均は約5%ですが、

沖縄は約13%いると言われています。


沖縄は仕事が少なく

「できる男子学生は看護師になる」

という習慣があり、

できる学生が看護を目指しています。


ちなみに自分の時代には

看護系でぶっちぎりの

「日本一男子学生の割合が多い大学」となり、

空き時間には、みんなで裸で筋トレと運動ばかりして、

「体育学科」と揶揄されたものです。(笑)


また北谷にはアメリカ軍病院があり、

男性の衛生兵=ミリタリーナースが多くおり、

友人となって、いろいろな話を聞きました。


衛生兵は上級職で非常に礼儀正しく、

だけど本当に cool & stylish なのです。


黒人ミリタリーナースが

頭はドレッドに腕にはタトゥー

服装はスクラブに迷彩パンツで、

ナースステーションでHIPHOPをかけて、

" Yo, men. Let's go CARE "

というスタイルは、まさに衝撃でした!


この人はYUITOが一番尊敬する NURSE です!

カッコよすぎるでしょ!!

テープをカラナビにつける方法は今でもまねしています。

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そして、HIPHOPを口ずさみながらCVを入れ、

レントゲンを見て「やべーな」と普通にトロッカーを入れ、

戦場での訓練のために簡単な手術を行い

だけど精神的な側面や家族まで優しくケアして姿勢は、

アメリカ衛生兵ナースに本当に憧れるともに

シームレスで「効率的な医療」を学びました。


日本でも男性看護師のキャリアップについては、

しっかりと議論していく必要があります。


男性看護師は英語で " men in nursing " であり、

アメリカを含む世界の男性看護師については、

この本が一番まとまっています。



ちなみに男性看護師に焦点をあてた雑誌もあり、

個人的に読んでいます。


やはりER、OPE、ICU、PSYCHIATRIC が多いです。



3) 精神地域医療


沖縄は自然もキレイで、ゆっくりした文化ですが

意外と精神科疾患罹患率が高いです。


ただし、離島の精神医療は

本当にコミュニティーの結びつきが強く、

本質的な精神地域医療が医療者なしで行われています。


沖縄の果ての果ての離島実習に行った際に、

役場の事務の人と(まったく医療者ではないです)

精神疾患をもって生活している方の家に訪問に行くと、

横のサトウキビ畑で

「猛スピードでサトウキビを振り回している人」がおり、

役場の人が手を振ると、

その人もサトウキビを振って笑顔で答えてくれました。


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「あんた学生でしょ。ちょっと待ってて。」と

小さなコップに水道で勢いよく水を入れて、

さらに1リットルの麦茶をつくるパックを

そのコップに入れて、指でぐるぐるかきまわして

「2人でわけて飲んでね。どうぞ。」と

笑顔で渡されました。


僕はドン引きでしたが、役場の人は

「ありがとうね。けど、これは麦茶濃すぎるさー。

 ま、いっかー。あはは。」と普通に飲んでいました。


役場の人が、

「おととい、原付バイクで暴走して交番の前で転んで、

 駐在さん(警察)に病院連れて行ってもらって、

 そのあと家まで送ってもらったんだってね。

 あんまり危ない事したらダメさーね。あはは。」

というと(ちなみに無免許です)

「今度は交番につっこんでやるさーね。」

と返し、2人で笑ってる状況に

ものすごいカルチャーショックを受け、

だけど本当に理想を見た気がしました。


近所の人も精神疾患など関係なく、

「あの人、サトウキビふりまわすの大好きで、

 とても陽気でおもしろい人だよ。個性的さー。」

とよく自宅に招いて、ご飯を一緒に食べるそうなのです。


さらに役場や消防、青年会、警察などが交代制で

毎日訪問して1時間くらいお話する役割が決められており、

だれも精神地域医療を知らないのに

自然とコミュニティーの力で

ものすごい本質的なケアを提供しているのです。


那覇なら確実に入院になるレベルでも

地域の力で、むしろ楽しんでケアしているのです。


何より、

こんなにイキイキした精神疾患をもつ人を

みたことがありませんでした。


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また石垣島では精神疾患患者は

数日の入院ですぐにコミュニティーに戻し

(なんとベッド稼働率50%程度です。)

今までの生活を継続させるという

コミュニティーへの絶対的な信頼があります。


ここらへんは、

本当に沖縄のすごい力です!


このコミュニティーでケアしていく姿勢を

もう一度しっかりと理論化していけば、

今後の日本の医療はもっとよくなると思うのです。


今の日本の医療・看護のいきづまりは

病院内だけで考えていることから生じているのです。


「コミュニティーを作る」

という作業にケアの専門家として参加し恊働していくことが、

次世代の看護の中心になると確信しています。


今回は、

アメリカ式医療と男性看護師、精神地域医療と

書いてきました。


この5回にわたる「沖縄と看護」は

いかがだったでしょうか?


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ぜひ沖縄に観光に行った際には、

看護の視点からも「沖縄」を見ていただくと

看護に対する気持ちもリフレッシュでき、

普段の仕事も充実すると思います。


感想お待ちしております。


COOL で STYLISH な NURSE を目指して!

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