NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

医療事故を考える

「医療事故」


看護師にとっては非常に身近なことですね。


YUITO 自身も数えられないくらいのミスを
してきて、何回もへこみました。


実は今国際保健として、注目されているのが
" patient safety " (医療安全)です。


WHO | Patient safety


発展途上国でも手術が多くなり、
使用できる薬剤も多くなったので、
医療安全に対する意識の向上が必要となっています。


WHO でも医療安全の専門家を求めており、
包括的に介入できる看護師が主として、
その役割を担っています。


アフリカでもWHOが作った
手術前の確認のシンプルなポスターが
張られていたのを思い出します。


医療事故により、
医師が逮捕されるという事件も数回あり、
合併症なのか、ミスなのかという議論が
盛り上がった時期もありました。


しかし、最近は
「ミスを犯した個人ではなくて、
 ミスを防げなかったシステムが悪い。」
という方針が貫かれています。


つまり、責任論よりも再発防止です。


横浜市立大学医学部付属病院で、
心臓の患者に肺の手術をして、
肺の患者に心臓の手術をしてしまった患者取り違え事件でも、
朝に夜勤看護師が同時に2人のOPE出しをした際に取り違え、
それが原因だと言われましたが、
実際は
夜勤看護師が同時に2人のOPE出しをする環境が
もはや異常であり、原因です。


報告書はこちら。


「安全」と「確認」が一大業務である看護師は、
医療安全に最も貢献している職種でしょう。


医療安全管理者や医療安全に興味がある看護師、
また患者として医療安全に疑問がある方に
是非呼んでほしい本はこちらです。


YUITO が大学生時代の本ですが、
今後10年間の医療安全の最も著名な本
であり続けるとこは間違えないです。


医療過誤は新たな疫病である」と捉え、
有名な事件や新しい対策法まで解説しています。


RCAADR という言葉の意味が理解できます。
看護管理者や外科医も必読でしょう。


現代医療の常識ですね。


新たな疫病「医療過誤」

新たな疫病「医療過誤」


YUITO は医療ミス本があるとほとんど購入して
熟読してしまうのですが、
最もこころをうたれたのは、この本です。


いかに医療ミスが、
「患者、家族、医療者すべての人を悲しませるのか」
こころに迫る生々しい描写、読みやすいストーリーで
いつも友人にすすめています。


「明香ちゃん、本当に大事なことを教えてくれてありがとう。」


明香ちゃんの心臓 <検証>東京女子医大病院事件

明香ちゃんの心臓 <検証>東京女子医大病院事件


また医療ミスが事件になると
医療崩壊が起きると唱え、
合併症の意味を解説をしている名著はこちらです。


医療崩壊」という言葉を作った本ですね。
本人も超一流の泌尿器外科医です。


医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か


医療安全に関しては、
日本が非常に精度が高く、
その知識を発展途上国に輸出して、
世界の医療のカイゼンに貢献すべきだと考えます。


医療安全は、
「患者、家族、医療者すべての願い」であり、
研究と臨床への応用がすすみ、
1つでも医療ミスが減ることを望んでいます。


もちろん、
日本だけでなく、世界中でです。