NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

最新の看護研究

現在、アメリカではどのような領域の看護研究が、
最新と言われ、巨額の研究費がおりているのか?


アメリカでは、「主に最先端のテクノロジーをどう医療に行かすか?」
という問いのもと、看護研究が発展しています。


具体的には以下の4つです。


1 )脳科学
2 )ゲノム
3 )ロボット工学
4 )IT


それぞれ、現在の科学で主流となっている領域ですね。
それを如何に看護と結びつけるかが、最新の研究なのです!


1 )脳科学について
脳は最新の研究で可塑性( plasticity )をもっていることがわかりました。
つまり、脳梗塞で右上肢の動きをつかさどる脳細胞が阻害されても、
リハビリ次第で、再度右上肢をつかさどる部位が
脳の他の部位にできるということです。


詳しくは、この名著で。
脳科学の進歩が簡潔に述べられて、看護へもinspireされます。

The Brain That Changes Itself: Stories of Personal Triumph from the Frontiers of Brain Science (James H. Silberman Books)

The Brain That Changes Itself: Stories of Personal Triumph from the Frontiers of Brain Science (James H. Silberman Books)


日本語版も出ていたんですね。

脳は奇跡を起こす

脳は奇跡を起こす


では、
病院でその脳の可塑性を最も効率よく引き出すものはなんでしょうか?
リハビリ?薬?


そう、実は看護なんです!


日常生活の行動支援やコニュニケーションが、
知らぬ間に脳の可塑性引き出すのです。


ただ理論的に証明されていますが、まだ体系的には証明されておらず、
現在、介入プログラムとアウトカムの研究が進行しています。


まさに、脳外科病棟で現在普通に行われている看護が、
実は強い Evidence を秘めるものとして最新になっているのです。


2 ) ゲノム


この領域は、今後の医療の主流となることは確実です。
ゲノム診断、ゲノム医療が20年後のスタンダードになります。


ゲノム診断や治療が標準化されることによって、
遺伝によって、自分の寿命や病気の発症がわかってしまいます。
その際に、どう自己決定していくか?
という研究が基盤研究として進められています。


まだまだ発展途上中の領域であり、
ゲノム情報をどう看護に生かしていくかが問われています。


この領域は、産学協同で巨大な研究費がおりているので、
なんか良いアイデアがあれば、一攫千金間違えなしです。


3 ) ロボット工学


これから世界を襲うのは、そう高齢化です。
そして、介護もまた主流となります。


現在つくば大学で着るロボットを制作し、
介護支援ロボットが作られていますが、
看護ケアにもロボット工学が生かす研究が求められています。


ロボットと言ったら「日本」!!
日本でロボット工学と看護がコラボした計画が誕生すると
世界的も確実に絶賛されると思います。


4 ) IT


これも言わずもがな。


ソーシャルネットワークによる健康支援や、
携帯電話を使った健康管理、
グーグルのように電子カルテを生涯一つにまとめる計画や
その他考えたら切りがありません。


もはや、ITのない看護は考えられないですよね!


次世代の看護をとらえるためには、
現在の看護がどこに向かっているのか、
大局観を持って判断することが不可欠です。


今回は、アメリカの最新看護研究でした。
研究者を目指す方はもちろん、
次世代の看護を創る人は参考にしてくださいね。