NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

看護研究(2011年1号)

看護系の大衆専門誌として、
YUITOが最もRESPECTしているのが、「看護研究」です。


毎号、看護研究の新しい流れをPICK UPして、
看護研究の最先端のサマリーを提供してくれます。


自分と異なる領域の研究を専門的に知れるので、
毎号届くのが非常に楽しみです。


まさに、KING OF 看護系雑誌 IN JAPAN です。


今回は、「現象学的研究の方法を問う」とのことで、
主に現象学的な看護研究を行う際に、
どのような方法論があるのかという主題で、
現象学の本質や学派から根拠を引き出しています。


YUITOは、主に MIX-METHODS DESIGN の専門家であり、
質的研究はある程度理解していますが、
はやり現象学的な手法は少し勉強不足です。


なので、今月号は非常に難しく、ノートにメモしながら読んでいますが、
現象学の振り返りにちょうど良く、読み応えがあります!


現象学に興味のある人、精神関係の方、
in depth interviewで研究を進める方は必読でしょう!
1冊にまとまっているので、
ポイントを短期間で押さえることができます。


なぜか、amazonで扱っていないので、
医学書院のHPをリンクしておきます。
基本的に全国の書店で購入できます。
医学書院/雑誌/雑誌詳細


ちなみに、 " NURSING RESEARCH " では、
質的な研究の分析方法を主に、以下の6つに大別しています。
1) Content Analysis = 一般的な内容分析
2) Ethnographic = 文化人類学的な分析
3) Phenomenological = 現象学的な分析
4) Grounded theory = グランテッド・セオリー的な分析
5) Focus group = フォーカス・グループ的な分析
6) Triangulated = 複合的に組み合わせた分析


なので、in depth interview や 観察法を用いて、
個人の内面や経験、生きる意味についてのresearch questionは、
この現象学的な方法が非常に優れていることになります。


上記では、分析法というよりは、
質的研究を行う際に自分の立ち位置の明示=理論前提
という解釈が個人的にシックリ来ます。


指向性や還元と言った、やや難解な言葉も出てくるので、
以下の一般書も読むと理解が深まります。
いずれも良書です。


わかりやすい新書です。

これが現象学だ (講談社現代新書)

これが現象学だ (講談社現代新書)



看護系の入門書で簡単ですが、厳密ではないです。

質的研究のための現象学入門―対人支援の「意味」をわかりたい人へ

質的研究のための現象学入門―対人支援の「意味」をわかりたい人へ


現象学と看護を結びつけたのは、もちろん「鷲田清一先生」でしょう。
現象学がいかに看護で、その実力を発揮できるか知りたい人は、
これは必読です。


というか、看護師たるもの、これを読まずには看護師足りえません!!

「聴く」ことの力―臨床哲学試論

「聴く」ことの力―臨床哲学試論


個人的には、こちらもオススメ。
日常にある体やその行為に意味をつけて解説し、
まさに「これが現象学か!」と目からウロコが落ちます。
読みやすく、勉強になります。

悲鳴をあげる身体 (PHP新書)

悲鳴をあげる身体 (PHP新書)


以上、看護研究の現象学特集でした。
マジで看護研究に BIG UP!!


また、看護研究の新刊が出るたびに、コメントしていきたいと思います。