NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

ベイツ診察法

今日は、NPの physical emamination のお話。


身体所見の名著といえば、はやり「ベイツ」です。


あの頭のてっぺんからつま先までの
「指を目で追って下さいね。」という神経所見から
「息をすって、はいて下さい。」という腹部所見まで
すべて体系的に網羅されたテキストです。


世間では、医師の基本書でもありますが、
実はベイツさんはNPの指導者であり、その講義で確立されたのが、
この「ベイツ診察法」なんですね。


2008年に出版された日本語版は、聖路加グループが監修しており、
1万円を切る価格とみやすい構成で定評があります。


ベイツ診察法

ベイツ診察法


聖路加でも日野原のじいさんが定期的に、
この教科書を引き合いに出しながら、
Physical examination の講義をしています。


NPやCNSたるもの、はやり身体所見が取れないと話になりません。
「検査値に引きずられるな。身体所見に戻れ!」がすべてです。


YUITOも救急でECG変化のなかった80代女性の胸痛を、
心音と頸動脈怒張等の身体所見からAMIが疑わしいとコンサルし、
心カテの結果、AMIと確定した症例もありました。


マジでベイツのPhysical Examination に救われた!
と思うことは幾度となくありました。


めまいで来て、小脳テスト陽性でMRIで小脳梗塞
不明熱で来て、murphy陽性で胆嚢炎の診断へ、
意識消失で眼瞼結膜白くて、ツルゴールあり下血疑い、
すべてベイツに書いてあります。


ますは、ベイツを買って熟読し、
その後に自分や友人の体を使って、実際に練習し、
正常の体を記憶することが第一歩です。


すると正常じゃないものを「あれ?」と思えるので、
再度ベイツを引くと、「これだ!」というものがあり、
身体所見から臨床推論の1位をスムーズに立てることができます。


また、陰性所見もしっかりとれば、重傷疾患の否定にも役立ちます。


看護系大学院生には、この本はマストです!
これがないと上質なケアは提供できません!


クリティカルケア看護師、CNS、NPの方にも一生使えるので、
非常におすすめです。