NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

ドラッガーと看護

自分の人生のなかで、

本当に大きな影響を受けた本を2つあげるとすれば、

・P.F.ドラッガー「プロフェッショナルの条件」

・V.E.フランクル「夜と霧」

である。


ドラッガーからはビジネスとしての看護とはどうあるべきか、

フランクルからは人生とは何かを教わった。


ともに看護に対して批判的であり、

人生で本当に悩んでいた時期に、

それぞれの恩師よりプレゼントされたものである。


何度読んでも本質を教えてくれるし、

悩んだらいつもこの本を開いています。


人生は「読書」ですね。


ということで、今回は

ドラッガーと看護」を記述していきたいと思います。


最近では「もしどら」がはやり、ドラッガーが定着していきました。


yuitoは大学生のときにほとんど読破しましたが、

マネジメントのバイブルと言われているこの書物に、

実は「看護と看護師」の話がたくさん出てきていることに

大学生時代に非常に感動し、それ以来トリコになりました!!


1 ) 看護師は知的労働者である。


看護師を看護師足らしめるものは、その手技ではなく、

その視点と思考であると考えている。


つまり、看護とは体を使って行う肉体労働ではなく、

頭を使って行う知的労働であり、

それは世間でプロフェッショナルと言われる医師や弁護士

以上に本質的で専門的な知的労働である。


それをすんなりと断言して、例をあげているのが、

ドラッガー書物なのである。


そこでドラッガー

「看護師は看護という行為においてプロフェッショナルであるのに、

 看護師は看護以外の業務に多くの時間を使っている。

 これは知的労働者のマネジメントの問題なのだ。」

と一瞬で現代臨床看護の問題点を指摘しているのには、

本当に畏敬の念を覚える。


また

「看護師の生産性を高めることが顧客である患者のためであり、

 病院マネジメントの本質である。」

とも語っている。


2 ) 看護師はいつも貢献に焦点を合わせる


有名な企業のお偉いさんとビジネスをしていると

よくドラッガーの会話になるが、

相手はyuitoは看護師だと知っているので、

いつもいつも「ブライアン看護婦」の話になる。


「ブライアン看護婦」とは、

ドラッガー書物に出てくる有名な看護師で

病院の会議でいつもいつも

「それは患者にとって一番よいことなのでしょうか?」

と質問するので、この病院組織自体が、

「この答えにブライアン看護婦は満足するだろうか?」

と問題意識を持って、行動して、

しいては患者のための行動となったという

「顧客」「理念」「組織」という

ドラッガーの大きな本質を統合する重要な場面の話である。


ここでドラッガー

「貢献に焦点を当てることは、マネジメントの本質であり、

 ビジネスだけでなく、死という生身の人間の限界を乗り越える

 重要な手段である。」

とまとめ、多くの人が

・看護師はいつも患者への貢献に焦点をあてている

・それは本質であり、ビジネス等のマネジメントでも

 取り入れるべき視点である

ということを学ぶ印象的な場面である。


なので、経営者はこの場面が大好きなのであり、

いつもこの話をyuitoにする訳である。


なんか、看護師でないドラッガーから

看護の本質を教わっているかんじがして、

さらに畏敬の念を抱くのである。


上記の2つが学べるのが、この書物である。


基本的な個人のマネジメントに焦点をあてていて、

どう自分が知的労働者として向上していくかが、

ポイントとしてまめられているイイトコドリの本で、

ドラッガー入門にももってこいである。


「強みの焦点をあてる。」

「何として覚えられたいか。」

というところは今の封建的な看護とは逆であり、

yuitoに勇気を与え、自分の人生指針となっており、

多くの看護師がこれを読むと必ずや、

日本の看護は変わると確信しています。


3 ) 看護はイノベーションであり、ミッションである。


少し上級編に行くと、

やはり看護はビジネスだけでは語れない部分が多く、

もうけや利益だけでない、社会貢献や地域作りとしての

非営利組織の経営」が求められると述べています。


つまり、ドラッガー

医療や看護のマネジメントを

ビジネスを超えた新たなマネジメントへと

昇華させた理論があります。


まず看護は「イノベーション」です。

アメリカでもNP制度は、最も成功した

イノベーションとして知られ、

著名なビジネス本「イノベーションのジレンマ」でも

その意味が記述されています。


ドラッガーはやはり看護は

「ミッション優位」であり、

地域に看護を通してどれだけ

イノベーションによる貢献が与えられるかが

そのマネジメントの本質になるとも語っています。


そこでドラッガー

看護起業家のスピッツァーレーマンと対談して、

・看護のビジョンの本質

・女性としての人生と看護、経営

・看護はサービスであり、コストが重要

・自己開発

などについて更に具体的な

看護のマネジメントの本質について

提示していれています。


病院経営や地域作り、看護管理を

ビジネスと医療の両方からの視点で学びたい方に

オススメです。


ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営


看護管理を専攻とする人

看護部長は必読でしょう。


今日は「ドラッガーと看護」について

長々と記述しました。


本当は100個くらい記述したいくらいです。(笑)


看護師の中でもドラッガーを読む人が増えたと聞いているので、

是非「ドラッガーと看護」の読書会を開いて、

ドラッガーのこの言葉は看護でこう活きるのではないか。」

という議論ができる日を心待ちにしております。


他にも何か看護への示唆が得られる部分があれば、

是非連絡にて教えていただけると幸いです。


本当にドラッガーから看護の本質を教えられます。

日本のイケテナイ看護管理が

本当に患者のため、看護師のためになることを

こころから祈り、行動していきます。


ちなみに、ぼくの人生のモットーはドラッガー

「変化に対する最良のマネジメントは、

 自ら変化を作り出すことである。」

です。


変化を追うのではなく、変化を作る存在となり、

医療の変化から看護が変わるではなく、

看護から医療の変化を作りだす時代になったと確信し、

自ら変化を作っていきたいと思っています。


THANK YOU SO MUCH, Prof .DRUCKER!!