イシューからはじめよ
災害ばかりの記事になってしまったので、
少しリフレッシュもかねて、
最近読んだオススメ本を紹介します。
それは安宅和人さんの
「イシューからはじめよ。」です。
安宅さんは、脳神経科学者でPh.Dも持ち、
なおかつビジネスプロフェッションとして、
現在ではヤフーのCOO室室長でもあります。
YUITOも同じく国際保健を研究しつつ、
さまざまな企業とコラボしてビジネスを展開しているので、
科学とビジネスが同じ思考法であると展開していく
この本は、まさに目かからウロコでした。
科学とビジネスを並べて論じていく姿勢は
自分のロールモデルとなり、非常に感銘を受けました。
「問題をとにかく解決するのではなくて、
解決できるように問題を明確化し定義することが
最も知的生産を高める上で重要である。」
との趣旨が、自分にとってインパクトがありました。
大学院に行くと、
たった数年で結果=論文を出さないといけないのに、
自分の興味でつっぱしり、
「それ10年くらい研究しないと解決しないよ。」
という問題に挑戦し、挫折していく人を見ました。
YUITOは無理もせず、
2年間の修士では、この期間で解決可能な問題を定義して、
ちいさなことひとつでも何かを明かにしようと決めて、
先進国と大差がないことを明らかにしました。
アフリカに行くと保健に関する問題はたくさんあり、
ましてはHIVの問題など10年単位での研究で
焦点を絞らずに研究していたらと途方にくれてしまいます。
そこで、現地で観察して感じたこと
って言うけど、みんないろいろ知っているし、
もしかして、若者は日本人よりも知識あるのでは?」
を大切にして、これを仮説として、
複数の方法(質問紙の測定とインタビュー)によって
科学的な方法で証明しました。
今、この本を読んで考えると
この問題を解決できる形へ
自分で操作的に定義したことと
現場でのフィーリングから仮説を明確化して、
それをしっかり証明したという戦略は
まさにこの安宅さんの
「イシューからはじめよ。」の
issue driven だったと気づかされました。
つまり、問題解決はその解決方法でなく
その問題をどう定義するかで
その問題が解決できるかまで決まってしまうのです。
ビジネスプロフェッションはもちろん、
是非研究に浸っている大学院生にも読んでほしい本です。
- 作者: 安宅和人
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2010/11/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今回の大震災も様々な問題が絡み合って、
問題解決が非常に難航すると思います。
ただ、解決の労力を減らすには、
問題設定を解決できるように定義することが
最も効果的な知的生産方法になると
ヒントをもらいました。
災害復興医療でも
「イシューからはじめよ。」
の視点で支援していきたいと思います。
マジでRESPECT FOR 安宅さん!!