NEW NURSING

世界で活躍する疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

東北地方大平沖地震:こころのケア

東北地方太平洋沖地震から1週間経ち、

犠牲者の多さに心が痛み、

同時に人と人のつながりの強さに

自分自身、様々なことを学びました。


震災でなくなられた方々に

心からご冥福お祈りいたします。


また被災された方も

自分を責めずに、

今はゆっくり休めることを

こころから祈っております。


国際保健、救急医療を専門としている自分が

今、声を大にして言いたいことは

「被災者には今、何よりも

 本質的なこころのケアが必要である。」

ということです。


阪神淡路大震災でも被災後1週間後から

精神的な緊張が解けて、無気力になり、

また現実に戻り絶望する人で溢れました。


初めての日本での大規模な大震災であり、

災害医療・災害看護も確立されておらずに、

救急医療・支援物資が主な支援となり、

精神的なケアが非常に遅れて、

被災後に何年経っても、

過敏反応や不眠で悩む人が多くいました。


確かに、この東日本大震災を精神的に

簡単に乗り越えることはできません。


しかし、今

ほんの少しでいいから

精神的な支えを提供して、

こころを楽にしてあげて、

長期的にも精神的に悩まないように

支援する必要があるのです。


こころのケアは医療者の特権ではありません。


それは、一般の人、

つまり、家族や親戚、ボランティアが

気がついたときに行うものであり、

いつでも、どこでも、だれでも

ケアを提供できるのです。


特に、被災生存者が

「なぜ私だけ生き残ってしまったのだろうか。」

「あの人を助けてあげられたのに。私ばかり生き残って。」

と強く思い、自分を責め始める

「サバイバル・ギルト(survival guilt)」

が非常に大きな精神的な負担となります。


その内容とケア方法が記述されている論文を

兵庫県立大学看護学部(災害看護で有名)山本教授

聖路加看護大学(国際看護で有名)田代教授

から無償でPDFをメールでいただき、

「是非、被災者のために生かしてほしい!」

と励ましの言葉を頂きました。


被災者のケアに関わる医療者はもとより、

被災者を支える家族や親戚、

ボランティア、役場の人、友人

しいては全国民に読んでいただけると

被災者へのこころのケアが理解でき、

絶え間ないケアが提供できると信じています。


以下、その論文です。

サバイバル・ギルト.pdf 直


災害医療といいますが、

被災者をケアするのは、

医療者はもとより、

一般の被災者に関わるみなさまが

本当は災害医療の中心拠点なのです。


「医療者でないから、こころのケアはわからない。」

ではなく、すこしでも被災者のこころを理解できれば、

さらに復興への勇気が出るはずです。


復興もまた被災者のみなさんが行うものでなく、

日本みんなで力をあわせて行っていくものなのです。


どうか被災者のみなさん、生き残った自分を責めずに、

今はゆっくりと休んで下さい。


そして、今回、世界中の様々な医療者から

災害医療への助言をいただき、

この「はてな」を使い、知識を共有できました。


今までは「ネットはネット」と思っていましたが、

ここまで本質的なつながりがあるとは

初めて知りました。


災害時にシステムを絶え間なくケアして頂いた

はてな」職員のみなさんも

本当にありがとうございました。


ネットがある時代に生まれて本当に良かったと思います。


まだまだこれからが本番ですが、

全日本でがんばっていきましょう。


YUITOもまた災害医療の知識を

しっかり共有していきたいと思います。