災害医療(住民編)
災害医療で最も重要なのは、
「医療機関」ではなくて「住民」なのです。
医療は決して病院だけで行うものではありません。
みなさんが住んでいる地域で行うものなのです。
ハイチの地震では、
医療提供が脆弱だったことに加え、
住民が適切な行動をとれず、それどころか
個人の利益を追求する行動に出てしまったのが
最も大きな敗因となり
震災だけでなく、
2次災害で多くの死者をだしてしまいました。
この3日間が災害医療の急性期(救急)の勝負となります。
それには、みなさん住民の力が不可欠なのです。
何度もいいますが医療は
医療者だけで行うものではなく、
住民のみなさんと一緒に
コミュニティーとして行うものなのです。
ぜひ、力をお貸しください。
いかに要点をまとめます。
1 ) 動けるかたは医療に参加を!
震災地で動ける方は被災者でもありますが、
貴重な人材でもあるのです。
もし、家族の安否も確認でき、
自分の身体的・精神的に少し余裕があり、
おちついて行動できるのなら、
・病院等のボランティア
・避難所でのボランティア
・情報収集のボランティア
に入っていただけると助かります。
患者を車で運ぶ、薬をとってくる、情報をまとめる
なんでもいいのでボランティアがいると
医療が効率化できて、多くの人を助けれます。
かならず、余震や津波には気をつけて活動してください!
2 ) 災害弱者の安否確認を!
災害で最も死亡率が高いのが、以下の3つです。
・高齢者などのひとり暮らし者
・慢性疾患を抱えている者
・在宅で医療を受けている者
近所にいるかた、知り合いの方に思い当たる節があれば、
確認をとり、状況を
・地域の保健師(地域担当の看護師)
・役場の人や情報管理している人
に伝えて下さい。
特に、高度な在宅・外来医療を受けている患者さんは
一刻も早く震災地から脱出して、
高度医療を受けなければなりません。
以下の状態にある患者さんを知っているかたも
ぜひ、保健師や役場へ連絡してください。
・透析を受けている患者さん
・人口呼吸器をつけている患者さん
・在宅酸素を受けている患者さん
そして、妊婦さんにも
優先的に水や食料の提供およびよい環境の提供が
必要となります!
異常がなければ早急な受診はすすめませんが、
妊婦さんの状況を知っている方は
異常がなくてもぜひ保健師まで連絡ください。
なんどもいいますが、
人も救うのは、医療者でななくて、
住民のみなさん、あなたたちなのです!
その状況報告ひとつが命を救います!