ナイチンゲールと看護理論
看護の定義とはいったい何でしょうか?
ナイチンゲールによると
「看護とは、生命力の消耗を最小限にするよう、
すべてを整えることである。」
と定義されています。
YUITO は学生時代にこの定義に不満を感じ、
ナイチンゲールの書籍をほとんど読破しました。
まずは「看護覚え書き」ですが、
「看護理論ではなく、看護哲学 ( philosophy )」に
分類されています。
その理由として、
1 ) ナイチンゲールの看護に対する功績
・ナイチンゲールの残した記録、思想は現代看護の基盤であり、
もはや理論ではなく、思想であり、哲学そのものである。
2 ) 看護理論として実証されていない
・哲学であるが、理論としては実証( operational system proof )
されておらずに、根拠としてはエッセイ程度になってしまう。
※ 比較として Jean waston のケアリングは内面の相互作用に
焦点を当てていて難解ですが、しっかりと測定できる次元まで
具体化して実証して、理論を証明しています。
※つまり、理論の概念の関係性 ( theoretical framework ) を
実際に測定して証明できるまでの
具体的なシステム ( operational system )
まで落として、実証したのが理論であり、
証明されたことが根拠となる。
「看護覚え書き」
これは、みなさん学生時代に読まされたことでしょう。
けど、これは看護師にではなく、
すべての女性を対象としたものであり、
根拠としてはエッセイなので、
(婦人の経験談の本)
理論を学ぶというより、
その看護の視点と思考を身につけるために読むべき本です。
書いてあることが、すべて正しいわけではないです。
だから、これを読んで、おかしいなと思っても
それは非常に自然な感覚なのです。
それより、看護は「健康と人間と環境」に焦点をあて、
病気から精神的なもの、食事や音にまで
ケアの意識を延長するという
看護の視点と思考を抽出できればよいのです。
これがYUITOの原点です。
いつ読んでも神聖な気持ちになります。
- 作者: フロレンス・ナイチンゲール,湯槙ます
- 出版社/メーカー: 現代社
- 発売日: 2000/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 52回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
個人的には公衆衛生看護師にまで早い時期に言及している
こちらの本でナイチンゲールのすごさを知りました。
熟読必須です。
- 作者: フロレンス・ナイチンゲール,薄井坦子,小玉香津子
- 出版社/メーカー: 現代社
- 発売日: 2003/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
これを読むとさらにナイチンゲールが理解できます。
マニアなので、学生時代に授業さぼって読破しました。
ナイチンゲールの生涯を知らずに、「看護覚え書き」は語れません。
- 作者: セシル・ウーダム・スミス,武山満智子
- 出版社/メーカー: 現代社
- 発売日: 1996/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
看護が漠然と存在していた時代に
看護を言語化して体系化し、
疫学をつかって論じたナイチンゲールは
看護界のみならず
医療界に大きな影響を与えた人物でした。
ただ、冒頭のナイチンゲールの看護の定義は
本質であるが、古いものでもあるので、
今の時代に即した「あたらな看護の定義」が
不可欠かつ社会から求められているのである。
さて、次世代の看護をどうやって定義しましょうか?
一緒に考えていきましょう!!
ちなみに、原著も読むともうマニア仲間入りです。
- 作者: フローレンス・ナイティンゲール,薄井坦子
- 出版社/メーカー: 現代社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る