NEW NURSING

ハワイの疫学者が日本の医療について議論する記事です。

NEXT Health Care

次世代の医療へ

インドネシア人看護師

インドネシア人看護師の滞在延長が決定した。

というニュースが最近よく取り上げられている。


このあいまいな制度にマジで憤慨している。


いったい日本政府は何をしたいのか?

看護協会は国際的に恥ずかしくないのか?


声を大にして言いたい。

日本で看護師になれる期待を抱かせといて、

国家試験は難解な日本語で、

滞在期間も制限されている。


これ、

マジで矛盾しまくりでしょ!


もと ICN president の南先生も

「日本の看護はこれから世界的にジリ貧になる。

 この国から出る勇気が最も必要なのよ。」

と学会で話しており、

YUITOも非常に精神的に助けになった。


問題を整理すると


1) 日本の看護人材は圧倒的に不足している


看護師の人口あたりの人数は増加したものの、

また先進国に比べて少ない。


それに加えて、日本のベッド数が多いので、

1ベッド数あたりの看護師は非常に少ない。


だから、激務&低サービスなのである。


そして、さらに高齢化がすすみ、

老人施設が増加すれば看護師人材不足は

さらに危機的な状況になる。


どう解決するのか


今の看護師を利用する

・潜在看護師を再教育する

→気軽で看護師のめんどくさい文化を排除した

 職場環境を作る必要がある


あらたに看護師をつくる

・あらたに看護師を多く教育する

→看護師の高等教育化がすすんでおり、

 看護教育人材が不足しており、

 より一層の教育拡大は困難である


日本以外に人材を求める

・外国人看護師を日本で働いてもらう

→中国や韓国も看護師不足であり、台湾は日本よりすすんでおり、

 インドネシアとフィリピンからの看護師人材が

 有力な候補となる


EPAもかねて、今後の日本の高齢化を考えると

外国人看護師が最も可能性が高い


2 ) 外国人にケアされるのが嫌だ


「やっぱり日本人にケアされたい」

その気持ちはわかるが、

しっかりとした知識と技術をもてば、

別に人種や国籍は関係ないでしょう。


外国人にケアされるのは嫌であれば、

・国際人としての差別であると認識される

・日本人は少なく、外国人がいやなら

 誰にもケアされなくなり、低サービスを覚悟する

しかなくなってしまう。


感情的な議論をしようが、

波はもうそこまで来ており、

入院してナースコースを押しても

看護師がこないことが普通になるかもしれない。


ちなみにYUITOの体験からすると

インドネシア看護師はムスリムであり

真面目で忠誠心が高く、フレンドリーである。


ケアを受けていないのに先入観で議論するのは

危険である。


聖路加の博士にインドネシア人看護師も

留学しており、非常に接しやすかった。


フィリピン看護師に関しては、

もう日本は見ていない。


英語が堪能なかれらは、

イギリスやアメリカで高給で働き、

日本の看護師より有能な人が

ウジャウジャいる。


WHOのフィリピン看護師も

「日本で働けるようになるらしいけど、

 あたしたちは閉鎖的な日本より

 オープンなUSに行くわ。」

とひとことでした。


3 ) 国際的な日本の評価が落ちる


インドネシア看護師の1割はこの制度のめんどくささに

帰国してしまった。


かれらにも生活があるし、

日本に対して嫌なイメージをもっているだろう。


なぜ、看護師国家試験は日本語なのか?


英語でしっかりとした知識を確認して、

免許を与えた後で、日本語研修を受ければいいのでは?


そんなに日本語にこだわって、

本来の目的を見失っていないか?


なんせ世界からの日本の看護に対する視線が

非常に冷たいです。


世界からのイメージは、こんなカンジ。

「お前の国は、

 世界的に標準でない言語を学ばせて、

 試験受からなかったら帰国させるんだろう。

 なんて閉鎖的な国なんだ、日本は。

 結局、制度があるだけで、日本人しか日本の看護師

 になれないじゃないか。」


日本の看護は非常にていねいだし、

日本の看護師の能力も世界的にすごいと思う。


だけど、今

日本の看護は、台湾や韓国に抜かれかけて、

アジアの国は日本の看護より欧米の看護を勉強しており、

日本の看護は、今後どうなってしまうのでしょうか。


そのためには日本の看護は

もっと多様性をとりいれないと死んでしまいます。


外国人看護師、特定看護師を初めて、

いろいろな看護をイノベーションしていかないと。


日本政府さん、看護協会さん、

インドネシア看護師受け入れは

ただの国際交流ですか?

それとも、

日本と看護の未来を切り開く、

人材開発なんですか?


もし、人材開発なら、

もっとスムーズにインドネシア看護師が働ける環境を

つくらないと。


さもなければ、

能力のあるかれらは日本をpassして、

欧米で看護師として働き、

日本の看護師不足はさらに深刻化して、

日本の看護はガラパゴス化してしまいますよ。


特に看護協会さん、

いったいあなたの役割はなんでしたっけ?


看護の過激派 YUITO でした。